【連載】教師のためのセルフコーチング 5 本当にやりたいのは何

京都文教大学准教授 大前暁政

 

未来のゴールを考える際、ポイントがあります。

それは、「自分の本当にやりたいこと」をゴールにすることです。

例えば、新卒教師のころに、「みんなが楽しく過ごしている学級をつくりたい」と考えていたとします。ところが、日々の忙しさに追われているうちに、教師になったころの「こんな学級をつくりたい」というゴールを忘れてしまうことがあります。

そして、日々の「やらなければならない仕事」に追われて、時間と労力を割いてしまうのです。そのうち、日々の仕事を無事に終わらせることや、トラブルなく過ごすことができればよいと考えるようになってきます。 

これでは、教師になったかいがありません。教師になったころの初心を思い出してみると、教師としてやりたかったことがさまざまに浮かぶはずです。

「全員が生き生きと学んでいる授業をつくりたい」
 「差別のない、のびのびとした集団づくりをしたい」
 「誰もやったことのないような新しい授業をしてみたい」

そういった「自分の本当にやりたいこと」を、ゴールとして意識するのが大切になるのです。

2つ目のポイントは、今の自分では到達できないような高いゴールにすることです。

今の自分の延長線上で到達できるゴールなら、特に努力を必要としません。今までの自分の現状で良いことになります。これでは、教師として進歩がありません。今の自分ではできないような高いゴールを設定するからこそ、教師は成長できるのです。

さて、多くの人は「やりたいこと」ではなく、「やらなくてはならないこと」に時間と労力を費やしてしまっています。

やりたいことに時間を使うのは、よほど意識していないと、難しいのです。

教師の仕事は「際限がない」とよくいわれます。教室掃除から、備品管理、畑仕事や運動場の草取りに至るまで、さまざまな仕事が、次々と発生するからです。
しかも、年を追うごとに校務分掌が増え、「やらなくてはならないこと」が増えていきます。では、「やらなくてはならないこと」が多すぎる場合、どうしたらよいのでしょうか。

答えは、本当に重要な未来のゴールに対して、時間と労力を費やせるよう、仕事の見直しをすればよいのです。

そして、「やらなくてはならないこと」のうち、本当は必要のなかった仕事を1つ減らし、その分、やりたい仕事を1つ増やせばよいのです。一気に仕事を減らすのは難しいので、たった1つでよいので、やりたい仕事に時間と労力を使えるようにしていくのです。

時々、「自分が目指すべき未来のゴールはこれでよいのだろうか?」と、考え直してみるのも必要です。自分が本当にやりたいと思えるゴールは、落ち着いた環境で思い浮かぶ場合が多くあります。自分が目指したいゴールを、時々時間をとって、落ち着いた環境で、あれこれと考えてみるのをオススメします。

とんでもないゴールを設定してみようか、とあれこれと思案するのは、実に楽しいです。

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