【連載】今なぜ?ピア・サポートか 8 トレーニング(4)問題解決②

静岡県立浜松江之島高校教諭 山口権治

 

前回のステップ1では、聞き手は傾聴スキルを用いて「課題の明確化」をし、ステップ2では、「ゴールの明確化」を体験しました。ステップ3は「解決案のブレーンストーミング」です。実現の可能性にとらわれず、創造的思考法を使ってアイデアを自由に出していきます。

ステップ4は「解決案の検討」です。分析的思考法を活用し、出てきたアイデアのプラス面・マイナス面を考慮し、解決案を検討していきます。最後にステップ5として、当事者が提案された解決案を選択し、「行動計画の作成」を行います。

さらに、ピア・サポーターの仕事は、相談者とともに、問題解決に向けてより多くの選択肢を考え出すことです。思考が柔軟でないと、多くの考えは出せません。そこでブレーンストーミングの練習が重要となります。

「問題解決のスキル」のステップ3では、このブレーンストーミングの技術を活用します。「ブレーン(Brain)」とは「頭脳・知力」、「ストーミング(Storming)」とは「嵐のように」という意味です。つまり、ブレーンストーミングとは、何事にもとらわれずに発想を広げ、自由闊達に意見を出す発想法を意味するのです。これは「創造的思考」といわれ、日本人に苦手とされている発想法です。

ステップ4の解決案の検討で用いる「分析的思考」法(プラス面・マイナス面を考慮して、出された意見を絞り込む方法)とは、これとは逆の発想法となります。「ブレーンストーミング」の練習では、4人組となり、「理想の学校」のアイデアを、ブレーンストーミングの手法を用いて2分間で、できるだけ多く出してもらいます。

次に問題解決の5ステップに基づき、示された問題を具体的な解決にまで導いてもらいます。グループの1人が相談者になり、残りの3人がサポーターになります。サポーターの3人は、その内の1人が中心となって話を進める人、もう1人はその人をサポートする人、最後の人は記録係という役割を分担します。

実際のカウンセリングの場ではメモはとりませんが、参加者である生徒はプロのカウンセラーではありませんのでなかなかそのようにはいきません。そこでキーワードを記録し、話の「見える化」を行い、話が解決からそれないようにします。時間は全部で15分間。グループによって終わる時間がバラバラにならないよう、各ステップごとで時間を区切って活動を行います。

次回は「対立解消スキル(メディエーション)」について解説します。

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