地域との連携で実現 毎年「絶対おもしろい授業」

名古屋市立金城小学校

名古屋市立金城小学校(小川浩二校長、児童数415人)の「金城」という校名は、本校から間近に望める名古屋城に由来するといわれている。近隣には、黒川御用水、多奈波太神社、志賀公園遺跡、田幡城址など、歴史に輝く史跡が多い。地域住民は学校教育に協力的で、相互連携が根づいている。

この連携を強める取り組みとして、毎年「絶対おもしろい! 金城特別授業」を行っている。地域人材を活用し、子どもの興味関心を大切にした学習活動を展開していけば、(1)子ども主体の深い学び(2)対話的な学び(3)実生活につながる奥行きがある学びを引き出すことができると考え、次のようなコンセプトを掲げて、授業実践につなげている。

■講師の人選

子ども自身が学びに立ち向かい、学びがいを実感する学習活動を見通して、講師の人選を進める。
地域在住の伝統工芸士、大学講師、弁護士、管理栄養士など、その道の達人と呼ばれる人材の確保に努めた。

■授業の内容

学習活動の具現化に際し、次の事柄を大切にして、子どもの興味関心を生かすことを重視する。
(1)実生活と関連を明確にした課題づくり
(2)知らせることやできるようにすることの焦点化
(3)知っていることの活用とできることの発揮

■授業づくりの実際

まずは、地域人材とのふれあいを優先する。その上で、子ども自らが学びを実感し、本音で学びに向き合えるよう、可能な限りの見学やものづくり、聞き取り、調査など学びの手応えを感じさせる体験として組み込む。発表や話し合いなどの相互交流の時間を重視していく。

このコンセプトで計画に見直しや改善を加え、実践を積み上げてきた。

2月、4年生が「魔法のつげ櫛」「見えない雨粒が見える」という主題で、実践した。

魔法のつげ櫛「歯ズリ」に挑戦
魔法のつげ櫛「歯ズリ」に挑戦

〈実践〉「魔法のつげ櫛」は、地域在住の櫛職人さんを招き、伝統工芸を守ろうとする努力や工夫に着眼した。原木乾燥に5年以上を費やし、細かな工程を経て生み出される櫛には、熱き思いが込められ、血が通っている。

製作作業の見学や歯ズリ体験、インタビュー等の聞き取りを通して、つげ櫛のよさと伝統工芸を次世代につなぐ重みについて学ぶことができた。

〈実践〉「見えない雨粒が見える」は、地元大学の先生を招いて、雨粒を見つめ、雨粒に潜む科学性に切り込んでいった。

本来、表面張力によって、形が丸い雨粒も、上昇気流や空気の抵抗で饅頭型に変形する。粒が大きくなると、おわん型になる。もっと変形すると、粉々になってしまう。
下方から気流に見たてた空気をあてて、形の変化を実際に確かめる体験は、子どもを不可視な世界に誘い、納得ある学びにつながった。

雲の中にある水滴は雨にならないことや、粒が0.2ミリ以上になると降ってくること、雨粒はぶつかりながら大きくなることなどについて話し合いながら、考えを深めた。

昨今、アクティブ・ラーニングが話題にのぼる。その視点は総合的な学習の時間と密接な関係が見いだせるのではないか。こうした面からの授業改善に切り込みたい。

(文責・小川浩二校長)
本校/TEL052(911)2461。URL=http:www.kinjyo-e.nagoya-c.ed.jp

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