【連載】こころ元気エクササイズ 若手教師編 第65回 不安にどう対処するか

メンタルトレーナー 加藤史子

 

3つのアプローチで安心を

先日、養護教諭研修会で講演させていただいたときに、保健室の先生方から不安が大きい子どもたちが増えているということをお聞きしました。不安が大きすぎて自分で対処しきれなくなった子どもに対してできるアプローチを、3つ紹介します。

1つ目は呼吸を使います。不安なときは呼吸が浅く速くなっていますから、ゆっくりと細く息を吐いていくように誘導します。息を吐ききったら自然に吸いこみます。不安なことはすべて呼吸と一緒に体の外に出すようにイメージし、呼吸を吸い込むときは安心した自分にとってキラキラした素晴らしいものを取り込むイメージで呼吸していきます。

呼吸が深く大きくなるにつれて、リラックスして安心した状態を取り戻すことができます。

2つ目は、会話の中でできる暗示を用いたアプローチです。直接暗示は「安心して大丈夫だよ」と直接伝えるものです。間接暗示は、間接的に安心できるイメージを伝えていきます。

例えば、「どんなときに安心できるの」「安心できる場所はどこ」「安心しているときはどんな感覚なの」「安心したときの感覚に色をつけるとしたら、何色かな」「フワフワの毛布に包まれているような感覚想像できる」というように、安心できるイメージが頭に思い描けるような質問や物語、エピソードなどを語るのです。

3つ目は、安心の切り替えスイッチをつくるというもの。

(1)今までにとても安心した記憶を思い出してもらい、そのときに感じた安心感を十分に感じてもらったら、その感覚に色をつけます。その色のフラフープぐらいの大きさの輪が自分の目の前にあるところをイメージします。そして、その輪の中に入りながら、安心感と同時に、その輪の色も同時にイメージします。

(2)一歩後ろに下がりながら輪の外に出ます。ここで一度気持ちをリセットするように深呼吸したり軽く体を動かしたりします。

(3)もう一度、安心したときの記憶を思い出して安心感を感じたら、目の前にイメージした色の輪の中に入ります。そして、輪の色と安心感を同時に感じながら、体の隅々まで安心感が広がっていくところをイメージします。

(4)前述の(2)と(3)を、あと3回繰り返します。

(5)一歩下がって輪の外に出て深呼吸などでリセットしたら、今度は何も考えずに目の前にある色の輪の中に入ってみます。そして体の感覚がどのように変化するのかを確かめてみましょう。うまくスイッチができていれば、自分で決めた色の輪をイメージして入るだけで安心した状態に切り替わります。
もし、まだあまり変化がない場合は、(2)と(3)を数回繰り返して変化への回路を強力なものにしていきます。

(6)不安になったときはいつでも、この色の輪を思い出して輪の中に入ると、安心した状態に切り替えることができます。
子どもを誘導してあげれば、子どもたちにもこの安心の輪をつくることができますよ。

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