【連載】教師のためのセルフコーチング 6 ゴール到達の手立て(1)

京都文教大学准教授 大前暁政

 

ゴールに到達するには、いくつかのポイントがあります。

まず第一は、どういった方法でそのゴールに到達すればよいのかの、「手立て」が見えなくてはならないということです。

よく「方法は無限にある」などと言われます。

また「100の方法を試すまでもなく、ゴールに到達できる」と言われることもあります。
つまり、ゴールに到達する方法はさまざまあり、それを次々と試すことで、いずれはゴールに到達できるというわけです。

ところが、ここで困ったことがあります。それは、方法が目の前にあっても、見えないことがあるということです。本当は、目の前に「手立て」があるのに、それに気付けなくなってしまうのです。

では、手立てが見えなくなるのはなぜなのでしょうか。
これにはいくつもの理由があります。一つの例を出すと、「平常心」が保てないときには、「手立て」が見えなくなります。
これは、困難なときほど、冷静な判断ができなくなるのと似ています。

またサッカーでも同じようなことが起きます。ホームでは、的確に判断できる選手が、アウェーだと、ミスばかりといったことが起きるのです。
つまり「あせり」や「不安」を感じることで、さまざまな手立てがあるにもかかわらず、それが見えなくなってしまうのです。

みなさんも、一度は経験しているかもしれません。

あせりや不安を感じるときには、まったく手立てが浮かばなかったのに、しばらく経ってみて冷静になり、落ち着いたときには、急にさまざまな手立てが浮かんできたといった経験はないでしょうか。これは、人なら誰しも起こりえることです。

つまり、あせりや不安を感じるときほど、目の前の手立てが見えなくなってしまうのです。

そこでセルフコーチングの出番です。
まずは、落ち着かないといけないのですが、どうやって困難な場面で落ち着けるのかを考えなくてはなりません。
教育の場では、子どがトラブルを起こしたり、何らかの事件が発生したりと、困難な場面は、突然訪れます。

こういうとき、まず、現状を把握するようにします。
そして、その現状の中で、悪い点だけに注目するのではなく、よい点にも注目するようにするのです。
悪い点以外に、必ずプラスの面、よい面があるはずです。
よい面を考えることで、落ち着きを取り戻すことができるのです。

そして、冷静になったところで、手立てを考えるようにすればよいのです。

他の人に相談するのも落ち着くための一つの方法です。
学年主任や管理職、そして自分が信頼している同僚などに、一通り出来事を話してみるのです。
話してみるだけで、かなり落ち着いてきます。それは、客観的に出来事を振り返ることができるからです。

冷静になって、落ち着いたときに、手立てをリストアップし、それをすぐに実行に移していけばよいのです。

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