【連載】新聞学習とアクティブ・ラーニング 4 見出しを付けてみよう

東京都立青山高校主幹教諭 本杉宏志

 

7月に行われた参院選の18歳、19歳の投票率がどうなるか気になっていましたが、総務省によれば、その年代の投票率は45・45%だった。前回平成25年参院選の20代投票率が約33%であったので、この数字はよかったといえるかもしれません。しかし、私はもう少しいくのではないかと期待していたので、大変残念でした。7月27日の朝日新聞(経済気象台)に「新聞を読む習慣と投票率」という記事が掲載されており「閲読率が上がらなければ、投票率もきっと上がらない」と書かれていました。NIE(教育に新聞を)をもっと広めていかなければならないと思った次第です。

さて今回からは、新聞を活用してどのような実践ができるのかを、比較的簡単に行えるものから紹介していきます。今回は「3分間スピーチ」と「見出しづくり」です。

「3分間スピーチ」は説明するまでもなく、新聞記事の中で興味・関心をもったものを取り上げ、自分の意見なども交えながら紹介するといったものです。社会科でよく行われていますが、国語や家庭科はもちろんのこと、全ての教科でできます。新聞には政治や経済だけではなく、家庭・スポーツ・芸術などさまざまなジャンルの記事が掲載されているからです。

「うちでは新聞をとっていないので、新聞を読むことができないのですが……」と生徒に言われたときは、図書館に行くよう勧めてください。司書の先生にも協力してもらうとよいでしょう。発表する生徒は時間の関係で毎時間1〜2人程度かもしれません。発表をしない生徒にも「3分間スピーチノート」などを作らせ、毎週少なくとも2〜3本の記事の要旨・感想・意見などを生徒の実態に合わせて書かせるようにするとよいでしょう。

都内のある中学校では、社会科の時間に1年生の時から継続して3年間にわたりこれを実践しています。できれば、その生徒たちを追跡調査して「新聞閲読率」や「投票率」などを調べてみたいものです。
もうひとつの実践例が見出しづくりです。毎日、何気なく見ている新聞の見出しですが、この見出しをつけるのが意外と難しいのです。10文字前後で記事の内容を伝えなければなりません。新聞を見ればわかりますが、見出しにも「主となる見出し」と「脇にある見出し」があります。まずは主となる見出しづくりをやってみてください。

最初から長文記事の見出しをつくるのは難しいので、社会面などから短い記事を見付け、その記事の見出しを考えさせてみましょう。生徒には見出しの部分を空白にした記事をプリントして配付し、自由に見出しをつけさせてみてください。生徒同士でどの見出しが一番よいかを話し合わせてもよいと思います。

見出しをつけるためには何が重要なのか。読者を引きつけるための見出しの工夫とは。などいろいろと考えさせましょう。そして、最後に、実際の新聞記事につけられていた見出しと比較してみます。
こうして少し慣れてきたら、段々と長めの記事の見出しづくりにチャレンジさせてください。これをやることにより、文章のポイントを適切におさえて読む力やまとめる力がついてきます。生徒が力をつけてくると、時には新聞よりも生徒が考えた見出しの方がよいのではないかと思うときもあります。

紹介した実践は、いろいろな教科で取り組むことが可能です。学校や生徒の実態、教科の特性などを踏まえ、いろいろと工夫し実践してみてください。