【連載】新たな教育への提言 第5回 THINKERS FESを終えて

(株)THINKERS代表取締役 山内学

 

当社主催の「10代の表現・発見・体験」を応援する「THINKERSFES2016」が、8月30日、日本科学未来館で開催された。当日は、台風の影響が心配されたが、約500人の来場者とともに、全ての出場者・審査員・出展者に集まっていただくことができ、無事実施できたことに感謝したい。

開会式では、筑波大学助教でメディアアーティストの落合陽一氏による講演が行われた。テクノロジーがこれからの社会をどう変えていくのか、その中で、今の10代は何を考え、どう行動すればいいのか、「5年前は修士論文レベル」のことを「今では15歳が3日間でできるようになった」という話も出た。「教える側も学生の伸びに合わせて走っていかないとうまく教えられなくなる」ということからも、テクノロジーの進化スピードがうかがえる。

その後、本イベントの前身となったコンテストの昨年度受賞者の講演が行われた。高校生の時に海外のロボットコンテストに日本チームとして初出場した彼は、日本におけるロボット教育の重要性を感じて、大学入学後に「一般社団法人 日本ロボット教育推進機構」を設立。海外コンテストの日本予選の実現と、後進エンジニアの育成・支援に尽力している。

ここで、THINKERS FESのコンセプトをおさらいしたい。「10代の表現を応援」「10代の発見を応援」「10代の体験を応援」の3つだ。「10代の表現を応援」では、事前に全国から募集したプレゼン動画とプログラミングテストの結果の中から、決勝進出者を選んで、「10代プレゼン」と「10代プロコン」を実施。平成32年度以降の「プログラミング必修化」や、「大学入試改革(センター試験廃止)」など、数年後に訪れる教育現場の変化に対応できるよう、コンテストを通じた表現・技術の発表機会を提供した。

「10代の発見を応援」では、児童生徒が大学・企業と接点を持てるブースを設け、新たな関心事を見つけたり、いま持っている興味をさらに追求したりする機会を提供した。国内大学だけでなく、ミネルバ大学といった海外大の出展もあった。

「10代の体験を応援」では、(株)ドコモgaccoによる「公開オンラインワークショップ」や、タクトピア(株)による「イノベーションを巻き起こすMITメソッド講座」、最新のロボットやVR技術などの体験機会を提供した。

この中でも、「10代プレゼン」を特筆しておきたい。なぜなら、最も主体性が発揮されるからだ。秋田から大阪にいたる全国各地から、10歳から17歳までという幅広い学年の出場者10組が集まったのも、やる気さえあれば地域差・学年差なく参加できるTHINKERSという10代限定のSNSを活用したからだろう。

10代プレゼンで最優秀賞に選ばれたのは、長野県のインターナショナルスクールの高校3年生だった。決め手は、身近な問題に取り組んで、その具体的な成果を出しているところだった。もちろん、聴衆を引きつけるプレゼンテーションも素晴らしかった。

最後に、イベントに関わってくれた40人ほどの10代スタッフにも感謝したい。中でも、最年少13歳の中学生スタッフが、得意のパソコンを駆使してプロ顔負けのアニメーションを作ってくれたのには驚いた。反省点も多々あったが、来場者の感想を聞くと、やってよかったと思う。

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