【連載】特別支援教育の根本 16 病弱児支援に医学と心理必須

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

病弱の特別支援教育について、文部科学省は次のように述べている。

「病気等により、継続して医療や生活上の管理が必要な子供に対して、必要な配慮を行いながら教育を行っています。特に病院に入院したり、退院後も様々な理由により小・中学校等に通学することが難しい場合は、学習が遅れることのないように、病院に併設した特別支援学校やその分校、又は病院内にある学級に通学して学習しています。授業では、小・中学校等とほぼ同じ教科学習を行い、必要に応じて入院前の学校の教科書を使用して指導しています。自立活動の時間では、身体面の健康維持とともに、病気に対する不安感や自信の喪失などに対するメンタル面の健康維持のための学習を行っています。治療等で学習空白のある場合は、グループ学習や個別指導による授業を行います。病気との関係で長時間の学習が困難な子供については、学習時間を短くするなどして柔軟に学習できるように配慮しています。退院後も健康を維持・管理し、運動制限等のために、特別支援学校の寄宿舎から通学又は自宅から通学し学習をする子供もいます。通学が困難な子供に対しては、必要に応じて病院や自宅等へ訪問して指導を行っています」

これらについて補足説明したい。

第一に必要な配慮とは、指導する者は必要な医学知識や病弱児童生徒の心理的面の知識、対応が求められる。また経験不足や偏りがある場合があるので理解して指導する必要がある。

第二は学習の遅れ、空白を補う支援である。視聴覚教材、パソコン等の利用のための教材教具の活用が大切である。

第三には転校前の前籍校との連携である。

前の学校の教科書利用や学習進度状況の把握等、現在の様子、退院予定の情報等の連絡が必要である。

第四には障害の改善・克服を図るのに必要な知識、技能、態度および習慣を養う指導領域である自立活動が重要である。

内容は健康の保持、心理的な安定、人間関係の形成、環境の把握、身体の動き、コミュニケーションで、一人ひとりの病気の状態、発達段階を把握し、個に応じた指導を展開するための指導計画を作成し、医療との連携を図りながら指導する必要がある。

第五には医教連携。主治医等の医療関係者と連携し指導支援を適切にする。例えば、安静時間、病状に応じた指導時間、ベッドサイド指導、訪問指導などである。

また病弱・身体虚弱特別支援学級の教育について、文部科学省は次のように述べている。

「入院中の子供のために病院内に設置された学級や小・中学校内に設置された学級があります。病院内の学級では、退院後には元の学校に戻ることが多いため、元の学校と連携を図りながら各教科等の学習を進めています。教科学習以外にも、特別支援学校と同様に身体面やメンタル面の健康維持や改善を図る学習を行うことであります」

病弱児にとって治療と教育は一体である。教育を行いながら治療すると、治療効果が非常に高まるといわれている。医学の進歩に伴い、入院期間が短くになるなど、転校手続きが問題となっていた。それが改善され柔軟に対応されてきている。病弱児の教育的対応は、病院や各学校、各学級、都道府県の諸事情により異なるが、多くの場合、入院していれば、学籍移動の手続きが完了していなくてもすぐに教育を受けられるようになってきている。病気による長期欠席数は、平成26年度、小学校1万8981人、中学校1万8789人である。

これらの児童生徒が治療を受けながら適切な教育措置がなされていくことが、病弱の特別支援教育の大きな課題である。

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