【連載】教育のユニバーサルデザインにチャレンジ 29 周囲にアプローチする⑤ 気にしすぎる子 その4

星槎大学大学院教育学研究科准教授、日本授業UD学会湘南支部顧問 阿部利彦

 

7. 影でコントロールする子の支援

影でコントロールする子には強みがたくさんあります。学習面で秀でていたり、スポーツ万能だったり、世間の情報に強かったりします。その持ち味を大切にし、得意な分野で活躍していけるように支援すること、つまり発達障がいのある子と方向性は一緒です。その子との信頼関係を築き、目標を確認し、裏でなく表のリーダーに育てていくのが重要です。

しかし、影でコントロールする子との信頼関係を作るのは、生易しいものではありません。なぜなら、彼らのほとんどが、幾度となく大人に裏切られてきているからです。いい加減な覚悟で近づけば、はねつけられるでしょう。

信頼関係を築く上で大切なのは、彼らの叱り方とほめ方です。まず、叱り方ですが、彼らは面子を非常に大切にしています。ですから、その子のプライドを大切にし、他の子の前では叱らないことが先決です。さらに大事なのは、ほめ方です。

子どもだと思って「えらいねえ」「すごいねえ」なんて褒めたら、彼らのことです、「けっ、ちっともうれしくねぇんだよ」と内心思うでしょう。

ですから、褒めるときには四字熟語などを用い、意図的に、知的に高い褒め方をする必要があるのです。つまり「大人として扱う」「一人前として関わる」と、「この人は他の大人とちがうかも」との思いを感じさせるのです。

少しずつ打ち解けたら、彼らの生活に関する声にも耳を傾けてほしいのです。家庭に課題があり、ストレスを抱えているケースが多くあります。

そこで、ぜひ彼らに獲得してほしいのが、適切なストレス解消法です。なぜなら勉強やスポーツ、そして多忙感からくるストレスを、気になる子にぶつけている、という背景があるからなのです。
年齢相応のストレスマネージメントスキルを学ぶことも、ふわっとあたたかいクラスを作るための重要な柱になるでしょう。

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