【連載】学級経営の基礎基本 縦糸と横糸のルール 7 「包み込み法」で関わろう

元横浜市立小学校教諭 野中信行

 

学校現場は、また新たな課題に直面している。

今まで教室では、ほとんど、どのクラスでも数人の「発達障害」の子供たちを抱えていた。学級に包み込んでいくのに苦労してきたはずである。そこに新たに「愛着障害」の子供が加わっている。

ちょっとしたことでパニックになる。ものを投げる、壊す。異様な泣き方をする。友だちとしょっちゅうトラブルになる。小1なのに3歳児のように暴れる。このような行動を取る。

「日本の子供の心が壊れつつある—感情のコントロールができない子が急に増えている」「こうした子供たちはちょうどスマートフォンが普及し始めた頃から増えだしている」という警告を、『スマホ依存の親が子供を壊す』(諸富祥彦著、宝島社)でなされている。

母親がスマホのLINEなどに気をとられているうちに、赤ちゃんが泣いてもそれに呼応せず、放置された状態が頻繁に起きる。対応が気まぐれで、気が向いたときにかまいはするが、子供が言うことを聞かないと大きなどなり声をあげ、きびしすぎる「しつけ」で追い込む。「スマホ・ネグレクト」「プチ虐待」と呼ばれている。これが原因になる。

これからの学校現場は、愛着障害の子供たちへの対応を多く迫られる。担任ひとりでは限界である。学校でチームを組んで対応しなければならない。

担任は、これらの子供たちをいかに学級に包み込んでいくかが問われる。学級を「安心・安全な場所」にすること。私は「包み込み法」という手法で対処してきた。

まず第1に、その子供とどのように「関係づくり」をするかが試される。ついつい厳しい対応をしがちである。必ず反発が返ってくる。だから、そういう対応をやめて、その子供と、どこで、どのようにつながるのかという「つながり感」を探らなければならない。横糸を張ることになる。

第2に、「所属感」が必要。担任が、その子供の「得意なこと」やみんなに認められる「できごと」などを知らせていかなくてはならない。その子供は、みんなから認められているという「所属感」で、他の子供たちとつながるようになる。安心感が生み出される。

「包み込み法」とは、「つながり感」と「所属感」を追求する取り組みである。私は、このシンプルな手法で多くの子供たちをクラスに包み込んでいくことに成功してきた。

あなたへのお薦め

 
特集