【連載】ダウンしないため / してしまったら 3 管理職の仕事とは何か

公立学校共済組合近畿中央病院メンタルヘルスケア・センター
副センター長 井上麻紀

 

メンタルヘルス維持の観点で

前回は、教員自身ができるセルフケアのヒントをお伝えしました。行事が立て込む2学期に、がんばるのはいいのですが、10月ごろから体調を崩すケースが目立ちます。

ラインケアとして、管理職には何ができるのでしょうか。安全管理監督義務者として、(1)働きやすい職場環境づくり(2)「いつもと違う」部下への気づきと対応(3)部下の話をよく聴く(4)部下の職場復帰を支える——の4つが挙げられると思います。実践できるものからやってみましょう。

(1)の働きやすい環境づくりとは、▽校内を障害物のない環境にする▽照明を適切なものにする▽作業する机を目的に合った高さにする▽ドアの開閉をしやすくする——など、物理的な環境を整えて、気持ち良く仕事ができるように気を配る取り組みを含みます。

(2)の「いつもと違う」部下に気づくには、普段からの部下をよく知っていないとできません。挨拶でも一言でいいから、声をかけていただきたいと思います。管理職の「いつもありがとう」の一言が、職員をどんなに勇気付けるでしょう。

(3)の部下の話をよく聴くで、何かあったときに相談してもらえる管理職になるには、やはり普段の声かけと、「何かあったら手伝うから、声をかけてね」と(雰囲気でもいいですから)伝えておくことです。そして、職員が困っているときには、具体的に一緒に動くことです。具体的に動いてくれない管理職は、なかなか信用されません。

(4)の部下の職場復帰については、残念ながら休業に至るケースがあり、「仕事のことさえなかったら、日常生活が普通に送れる」状態になってから、復職を考えます。病院などで行うリワークプログラムへの参加、現場での慣らし出勤について、時間や内容の相談に乗り、段階を踏んだ復帰を目指すサポートをします(コツは著書『教師の心が折れる時』(大月書店)に)。

そして、管理職自身が良い睡眠を確保しましょう。人へのケアをする人は、自分へのケアを怠ってはいけません。

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