【連載】どうする 学校のプログラミング教育 5 教員向け指導者研修会の中身

(一社)みんなのコード代表理事 利根川裕太

 

(一社)みんなのコードはプログラミング教育の必修化を推進するなかで、学校現場への導入がスムーズに進むよう、教員を対象にした指導者研修会を全国各地で実施している。昨今は、必修化の流れを受けて、研修会開催の依頼や参加する教員数が増えてきた。

みんなのコードが開催する研修の基本的な内容は、「必修化の背景に対する理解」「教材の体験」「授業での実践の検討」の3部で構成している。それぞれの研修会では、学校や自治体によって状況が異なるため、所要時間、会場の設備、対象者の興味によって内容をカスタマイズしている。

例えば、石川県加賀市で実施した研修会では、1回の参加で5時間の総合的な学習の時間でのプログラミング授業が一通り指導できる内容にした。そのプログラミング授業の全5時間は、次の通りである。

第1時間=生活の中でコンピュータが役立っているのを知る。

第2時間=絵本『ルビィのぼうけん』でプログラミング的思考を体験しながら理解する。

第3・4時間=Hour of Codeでドリル型教材に取り組む。

第5時間=活動のまとめ。

同研修会には、市内の全小学校から約30人の教員らが集まった。参加者の中には、そもそもプログラミング教育必修化を知らない教員やプログラミングを教えることに不安を感じる教員もいた。そこで、なぜ、コンピュータ科学教育が必要なのかや、プログラミング教育の重要性について理解してもらうことからスタートした。

その後、参加者には『ルビィのぼうけん』というフィンランドの絵本を用いたワークショップや、Hour of Codeのドリル型教材を体験してもらった。『ルビィのぼうけん』というのは、子供たちがコンピュータを使うことなく、物語を楽しみながら、紙や体を使ってプログラミング的思考を学ぶことができる教材だ。子供たちがお話の中でコンピュータやプログラマーになりきって、プログラミングの基本概念である「順次実行」「条件分岐」「繰り返し」を体現し、プログラミング的思考について理解を深められる。

このように、みんなのコードが開催する研修会においては、参加した教員にプログラミングを体験してもらうことや、プログラミングの考え方を理解してもらう過程を重要視している。実際に、同研修会に参加した教員からは、「漠然とした不安がなくなった」「プログラミング教材を体験して、プログラミングのとっつきにくいイメージが払拭された」などの声が聞かれた。

石川県加賀市においては、教員を対象にした指導者研修会だけでなく、研修を受けた教員がプログラミングの授業を実践する試みもこの2学期に始まる。

担当する教員からは「40分×5コマの指導計画は、思考・技能・知識とプリント学習・運動・PC操作が程よく関連づけられているため、児童への定着が良いと感じた」「プログラミング教育の良さは、失敗しても大丈夫というチャレンジの雰囲気ができるところ。他教科へも広がると良いと感じた」など肯定的な意見が多く聞かれた。

みんなのコードでは、このような教員向けのプログラミング指導者研修会を実施している。わが校、わが町にも来てほしいという人は、みんなのコードに。問い合わせ/Eメール=info@code.or.jp