【連載】こころ元気エクササイズ 若手教師編 第67回 良い影響を与えるには

メンタルトレーナー 加藤史子

 

皆さんは子供たちに言いたいことが伝わらないと感じたときはないでしょうか。正論を言っているのに、子供たちが聞く耳を持ってくれないときは、2つの点を再確認するチャンスなのです。

一つは「何を伝えるか」ではなく、「どのように伝えれば伝わるのか」を考えるチャンスです。例えば、「スマホやLINEはやめましょう」と言ったところで、子供たちが習慣としてスマホやLINEに依存していれば、聞き入れることができないと思います。そんなときは、「どうすれば、スマホを使う時間やLINEを自分から制限したいと思うようになるのか」と考えてみるのです。

スマホを使っている時間と成績などの関係性や、LINEなどSNSのトラブルで同世代にはどのようなものがあるかなどを具体的に伝えれば、自分に置き換えてどうすればいいのかを考えるきっかけになります。もしも自分が同じように巻き込まれたとしたら、自分だったらどうするか、などと質問して考えてもらうのもいいかもしれません。そして、悲しい結末に至らないために何に気をつけたらいいのかと考えてもらうこともいいかもしれません。

そして、二つ目に考えていただきたいのは、「誰から伝えられたらこの話が聞き入れられるだろうか」と考えてみることです。そして、「その人がどのような要素を持っているから話を聴いてもらえるのか」と考えてみるのです。その要素を抽出して書き出してみて、その要素を自分に取り入れてみることによって、自分自身が話を聞くに値する存在になるということです。

例えば、「先生の都合で話をするのではなく、本当に自分のことを思って語りかけてくれる」「具体的な事例でわかりやすく話してくれる」「決めつけない」「一方的でなく双方向になるように話す」「知行同一」「信頼してくれている」などの要素が自分自身になければ、どんないい話をしても子供たちは受け取ることができません。良い影響を与えられる人の要素には何があるのか、良い影響を与えられない人にはどのような要素があるのかを考え、書きだしてみるといいでしょう。

[良い影響を与えられる人の要素]
 ▽否定や批判をしないで話を聴いてくれる
 ▽利己的でなく利他の精神
 ▽正直で裏表がない
 ▽言行一致
 ▽明るい笑顔
 ▽納得できる話をする
 ▽相手を信じることができる

[良い影響を与えられない人の要素]
 ▽怒ってばかり
 ▽決めつけたり自分の価値観を押し付けたりする
 ▽否定したり批判したりする
 ▽きれいごとを言う
 ▽余裕がない
 ▽ネガティブ
 ▽言っていることがわからない

子供たちは、先生の言葉だけを聴いているのではなく、受け取っているのは、先生の在り方そのものなのです。 

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