女子高生が通用路改修工事 理科とキャリア教育で体験学習

プロの指導でコンクリ扱う

生徒たちが工事した通用路に立つ清水教諭(左)と中根さん
生徒たちが工事した通用路に立つ清水教諭(左)と中根さん

女子高生が学校通用路の補修工事を担い、仕事と働く意義に理解を深める——。立教女学院中学校・高等学校(田部井善郎校長、生徒数1155人)は、多様な実社会との関わりや体験を通じた教育活動を重視。建設関係者と協働し、通用路改修に取り組んだ。生徒は、利用者の安全に思いを深め、工事に意欲的。スピーディーな仕事と見事な仕上がりでプロを脱帽させた。

実践は、高校1、2年生の理科選択講座「舗装工事体験講座~女学院を直そう」として実施。化学を指導する清水亨祐教諭は「授業ではコンクリートの性質などを学ぶ内容がある。身近な建材なので、知識だけでなく、体験を通じた学びも充実させたかった」と思いを振り返る。

そんな中で、建設分野の求人情報誌を発行する(株)WINNERS、建設業の職人育成などを行うガイズカンパニー(株)の両企業との結びつきができた。協議を重ね、授業構想が拡大。生徒たちがプロの力を借りて工事を進める取り組みが実現した。

連携授業についてWINNERSの中根千里さんは「ものづくりが軸の建設業は、工程や人の関わりなど『つながり』が見えやすい業界。生徒たちにこの仕事の一端を体験してもらい、同業界の魅力を知り、見方を変えてほしい。あらゆる仕事に共通する『つながり』を感じてもらい、社会の営みの背景にある大きな関係性や働く意味についても考えるきっかけになれば」と思いを示す。

同教諭は、教科の体験学習とキャリア教育の視点から「なるべく生徒自身が工事に携わる」のを希望。全5日の工程のうち、2日間を生徒による作業にあてた。参加したのは18人。本格的な土木作業経験はない。しかし、ガイズカンパニー(株)の仲本純代表取締役の指導を受けると、すぐに作業内容を吸収。嬉々として工事に向かい、優れたチームワークを発揮。作業の役割分担などを自主的に進めた。
改修前は大きなコンクリートブロックを配し、その隙間を砂利で埋めた造り。通行の際、段差につまずきやすい構造だった。それを全面的に見直し、隙間や段差がない「インターロッキングブロック」の通路にした。

コンクリートブロックはプロに重機で取り除いてもらい、生徒は砂利の除去や改修路の下地へのコンクリート塗り、敷きならしなどを担った。

作業を指導し、見守った仲本代表取締役は「当初はプロが全面的にやり直すのを見込んでいたが、生徒たちの作業は迅速で丁寧。修正する必要がなかった」と称賛。「建設作業での女性力の見直しにもつながった」と驚きの誤算を話す。

生徒は、コンクリートをこねる作業などを体験しながら、建材の性質を実感的に理解。通路は礼拝堂への連絡路としても利用されており、卒業生などが礼拝のために定期的に通行する。同教諭は、生徒が利用者をイメージし、「安全で快適な通用路づくりの思いを深め、工事に意欲的に向かっていた」と顔をほころばせる。「工事に携わる多くの人の存在や思いを感じ取り、仕事や人生を見つめる新たな視点につながるのを期待したい」と、キャリア教育としての意義も強調する。

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