【連載】ダウンしないため / してしまったら 6 折れてしまった教員

公立学校共済組合近畿中央病院メンタルヘルスケア・センター
副センター長 井上麻紀

 

どのように回復していくか

本来、人間らしい生活を送りながら折れないように働いていただくのが理想です。”折れた”中でも、働く意欲が出なくなっただけでなく、休業に至った方についても記します。

不幸にしてダウンした方は、受診をし、とにかく質の良い睡眠を確保していただくのが肝心です。質の良い睡眠を確保するのは、意外と難しいです。身体に変調を来すと、辛くても眠れない状態に陥るのがよくあります。

良い睡眠が取れてくると、自然と少しずつ回復してきます。長年疲れきった上で休業に至った方の中には、1年半寝てばかりいた方もおられます。月単位で休養を取っていただくつもりが良いです。夜の睡眠に差し支えない範囲で、療養の初期には、寝られるだけ寝ていただき、エネルギーを充電してください。この時期に、”このままではダメになる”と焦らせないのが、周囲の対応ポイントです。負荷をかけ始めて良い時期が分からないときには、主治医に聞きましょう。

元気になってきたら、生活リズムを整え、午前中に起きて夜に寝る生活を作っていきます。また、”職場の悩みさえなかったら、日常生活が普通に送れる状態”になってから、復帰を考えます。その頃から、なまっていた体を動かし始め、もともと好きだった何かをしてみたり、家事をしてみたりします。そして、気持ちの整理をしていきます。(1)自分はなぜ休業に追い込まれたのかとそのときの気持ち(2)どんなときに調子が悪くなりやすいのか(3)どのように良くなってきたのか(4)自分にはどんな傾向があるのか(5)今度はどのように働いてみようと思うか——などについて、親しい人や主治医、専門家と話をしながら、過去にしていく中で、折れた心が手当てされ、今後の見通しが見える方もおられます。焦らずに。

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