【連載】特別支援教育の根本 18 訪問教育に「特別な支援」の姿

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

特別支援教育が、「特別な支援をする教育」であるというゆえんが、訪問教育である。障害が重いために学校に行けない児童生徒にも、当然、教育が受けられる権利は保障されている。

訪問教育は、学校教育法施行規則第131条1項に「特別支援学校の小学校、中学校又は高等部において、……又は教員を派遣して教育を行う場合において、……特別の教育課程によることができる」としている。

実際は、特別支援学校の教員が、家族、児童福祉施設、医療機関などを訪問して教育を行っている。

学校教育法第18条に「保護者が就学させなければならない子で、病弱・発育不完全その他やもう得ない事由のため、就学困難と認められる者の保護者に対して、市町村の教育委員会は、文部科学大臣の定めるところにより……義務を猶予又は免除することができる」と定めている。

昭和44年3月、当時の文部省の、特殊教育総合研究調査協力者会議は「特殊教育の基本的な施策のあり方について」と題する報告の中で、「すべての心身障害児に対し、その能力、特性等に応じた適切な教育が行なわれるべきであり、そのためには障害の種類、程度等に応じる多様な教育の場を整備する……必要がある」と述べている。

昭和43年から44年にかけて、一部の県や市の教育委員会が、就学猶予・免除者に訪問指導を実施した。文部省は、昭和53年7月に「訪問教育の概要(試案)」を発表し、訪問指導を「訪問教育」とした。昭和54年に養護学校の義務制度が実施される前の53年の猶予・免除者の数は9872人、54年になると3384人と約3分の1に減少していく。

しかし、養護学校などの特殊学校に行けない多くの児童生徒がおり、各都道府県において対象となる児童生徒の障害の状態と教育環境を考慮しながら、小学部、中学部で訪問教育が実施されるようになった。

高等部については、平成9年の特殊教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の「特殊教育の改善・充実について」(第一次報告)、「学校へ通学して教育を受けることが困難な生徒に対して高等部教育を行うため、小・中学部と同様、高等部における訪問教育を実施していく必要があると考える」と述べ、高等部教育の試行が始まった。

平成11年3月の学習指導要領の改訂で「訪問教育」が明記され、特例により平成12年から実施された。平成27年の訪問教育対象児童生徒数は、小学部1344人、中学部784人、高等部857人である。

小学部・中学部学習指導要領および高等部学習指導要領の総則に、訪問教育に関する教育課程の編成や授業時数の取り扱い等に関する規定がされている。

学習が大変困難な場合は、教育課程は「自立活動を中心に編成」「各教科等を合わせた学習を中心に編成」、個別の指導計画を作成して、指導を行うことが大切である。また授業時数は児童生徒の障害の状況、学習の環境や状況に応じて適宜配当され、指導に当たっている。

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