【連載】飯田稔のすばらしき教員人生 103 ストレス解消を心得ている人たち

■「来し方行く末」を考えて

教師の毎日は、まことに忙しい。びっくりするほどの仕事を日々こなしている。これは敬服するしかないが、これについて行政は対処・改善を図るべきだ。年来の課題だ。

かつての勤務校では、校長を含む全員が、それぞれに豊かな趣味を持ち、それをストレス解消法にしていた。授業とともに、ストレス解消もベテランの域に達していた人が多い。昼食時に、「昨夜、来し方行く末を考えて」と、話題を提供するS・A校長。この人は、ストレス解消策の手を打ってくれた。奮励努力を説きがちな前任者とは、全く違っていた。

ストレス解消を誰もが図るようになると、授業の腕も上がってくる。それで、学校の雰囲気に活気がみなぎってくるのだ。

■学校(教師)の裏文化も

趣味人ばかりが集まっている学校ではない。

しかし、野球、ソフトボール、ボウリング、ゴルフ、囲碁・将棋、書道、写真、短歌、俳句、川柳、絵画、手芸、剣道などなど、各人の選択は多彩だ。ボウリングはついにクラブ結成。親方はS・A校長だ。こうなるとモラールは高まる。見事なのは、ストレス解消や趣味が、教員のメーンの活動とならないこと。あくまでも、従でしかない。全教員は、その心得を必ず守ろうではないか。

特に拍手喝采、大好評であったのは、川柳や狂歌の類。現状批判、鬱積うっせきした気分が、これを詠んだり読んだりして発散されるからだ。ただし、これは学校(教師)の”裏文化”である。部外に発表されることはない。

■無難な川柳しか飾れない

そんな昔を思い出していたら、『日めくり・学校川柳』(教育開発研究所、1200円+税)を見つけた。おもしろい絵と川柳で、職員室の毎日が楽しくなるだろうと思った。

ただし、ここでの川柳は穏やかで平和的、誰が見ても無難だろう。安心して、職員室に飾ることができる。とかく批判されがちな教員文化も、これなら大丈夫か。

もし、筆者のかつての勤務校でこれを作ったとしたらどうか。もっと辛辣でワサビの効いたものになるだろう。もちろん、校門から出ることのない川柳ばかりだろうが。各学校には、それぞれの課題がある。平均点主義で作れば、無難な川柳になるか。

(元公立小学校長、千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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