【連載】学級経営の基礎基本 縦糸と横糸のルール 10 スピードとテンポ取り戻す

元横浜市立小学校教諭 野中信行

 

「3学期が始まったんですが、クラスが荒れています。これから取れる手立てってあるのでしょうか?」

このように相談される場合がよくある。この時期で立て直していくのは厳しいと考えなければならない。あと3カ月を凌ぐことである。でも、手立てがないわけではない。

教室は、担任と子供たちが作り出す「空気」と、流れている「時間」によって成り立っている。荒れているのは、この2つの統率に失敗したためである。もはや、この「空気」はやんちゃたちに支配されてしまっていて、担任が介入できない状態であろう。しかし、「時間」の回復は、今からでも十分間に合う。

教室の「時間」とは、教室に流れる1日の「時間」。荒れてくると、この流れがスムーズに流れなくなる。だらだら、もたもた、という悪いリズムになる。要するに、「スピード感」がなくなってしまう。担任が「時間」の統率に失敗しているためである。だが、慌てて「時間」の統率を考えていくより、「スピードのない活動」をやめていく必要がある。

(1)全ての活動の「始め」と「終わり」をきちんと守る(2)学校で決められている日課表をきちんと守る(3)特に、休み時間に食い込む授業は絶対にしない(4)だらだらとした「朝の会」をやめる(5)授業はすぐに始める(6)だらだらとした「終わりの会」をやめる。

特に、(4)と(6)のだらだらとした「朝の会」と「終わりの会」は、すぐにもやめなくてはならない。原則は、5、6分(長くても10分まで)。それ以上に時間がかかっているならば、プログラムが悪いと思わなくてはならない。習慣でだらだらと続いている項目を短縮するか、すぐにもやめることである。また(5)の授業は、始めるのに5分もかかってしまう場合がある。最初の日直の挨拶にこだわるためである。日直が「しずかにしてください」と連呼することで時間がかかってしまう。うるさくても、日直に「すぐ始めなさい」と言って始めてしまうことだ。

子供たちの体は、テレビコマーシャルやゲームなどの影響でスピード感に満たされている。子供たちは無意識なのだが、ゆっくり、もたもたした活動は、体が不快感を覚える。不快感を覚えたら、その不快通りに「もたもた」「だらだら」した反応を始める。不快だという体の叫びである。だから、まずこの「だらだらした活動」をやめていくことが必要になる。決められた時間通りに、とんとんとテンポ良く進めていく。

教室に「スピードのある活動」を取り戻していくこと。これが荒れを回復していく、これからの、ただ1つの処方箋になる。