【連載】アクティブ・ラーニングとICT活用 ⑤ プログラミング的な思考法

文教大学教授 今田晃一

 

第4次産業革命につながる

p20160112_02次期学習指導要領では、小学校に「プログラミング教育」の必修化が示された。これは、従来行われてきたコーディング(プログラミング言語を用いた記述方法)の習得が目的ではない。「プログラミング的思考」がそのキーワードであり、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、意図した活動により近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」と定義されている(議論のまとめ)。

文科省は、中学校および高校でもその拡充を検討しており、例えば中学校では、「技術・家庭」でプログラミングによる制御に加え、新たにアニメーションづくりなどの内容を追加したい考えである。そこで筆者は、平成26年度から幼稚園または小学校の教員を目指す大学1年生を対象とした授業で、文科省サイトの「きみの絵をうごかそう! プログラミン」を用いて「動く絵本の作成」を課題として実践した。パソコンやタブレットを用いて無料で使えるプログラミングツールは「ビスケット」(5歳〜)や「スクラッチ」(小3〜)が代表的である。この「プログラミン」は、ブロックでプログラムを下から組み立てるという独自の方法で、アニメーションを作成するビジュアルプログラミング言語として優れている。

学生は2~3人のグループに分かれ、初めて触れたプログラム環境でありながら、たった2時間でクオリティの高いデジタル絵本を完成させた。プログラミングの過程は、デバッグというコンピュータプログラムの誤り(バグ)を探し、取り除く作業が不可欠。ここに、グループで協力して課題に取り組む必然性が発生する。作業画面が楽しく美しく設計されているので、学習者の主体的・対話的で深い学びの姿が凝縮された形で見られ、まさにICTを用いたアクティブ・ラーニングである。

またプログラミング教育については、それを支援するNPOや企業、保護者も少なくない。活用できる外部人材などを学校が把握し、教員の状況や学習目標を鑑みながら、適切なプログラミング教育の指導体制を構築するよい機会となる(社会に開かれた教育課程)。

ただ、プログラミング的思考については、評価が大きな課題であり、その分野での蓄積がないのが現状である。だからこそ、そもそもどうしてプログラミング教育の導入が急がれたのか。人口知能(AI)やIoTなど、全てのものがコンピュータとつながる第4次産業革命に求められるものは何か。大きな視野と発想をもって、日々の授業に臨みたい。

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