【連載】教育のユニバーサルデザインにチャレンジ 33 授業で育てるソーシャルスキル 4

星槎大学准教授、日本授業UD学会湘南支部顧問 阿部利彦

 

ソーシャルスキルの中でも「上手な断り方」は大切なテーマです。友達に「この本貸して」と言われ「だめ」「いやだ」「貸さない」といった一言で返してしまう子は、相手に不快な気持ちを与え、ぎくしゃくした関係になりがちです。

相手の気持ちを考えた「断り方」には、3つのポイントがあります。

まず「この本、話題だよね」「◯◯さんもこの本、興味あるんだね」と相手の気持ちを受け止めます。次に「でもね、これ今読んでいる途中だから貸せないんだ」と自分の立場を主張します。それにプラスして「来週には読み終わるから、そしたら声かけるね。(貸すね)」と代案を伝える。

こうすると、誤解を受けにくい、トラブルに発展しにくいという訳です。

このような理由づけは、日常でも重要であり、また論理的に話すための第一歩であるともいえます。理由を添えた話し方には3つの種類があるといわれています。

(1)頭括型【主張+理由】で話す=例「私はAです。なぜなら~だからです」
 (2)双括型【主張+理由+主張】で話す=例「私はAです。なぜなら~だからです。だから、私はAです」
 (3)尾括型【理由+主張】で話す=「~です。だからAです」

授業における話し合いの場面では頭括型、双括型の方が分かりやすく、スピーチでは尾括型を使うとよい、といわれています。理由づけでは「なぜなら」という言葉をよく使いますが、「なぜかと言うと」「だって」「それは」といった言葉でも理由づけを示すことができます。

理由づけだけでなく、相手に深く理解してもらうための説明の仕方にはコツがあります。説明スキルとしては、(1)相手の理解を確かめながら話す(2)問いを挿入しながら話す(3)比喩表現を入れながら話す、視覚的な手がかりを提示しながら話す、というものがあります。

子供たちには、論理的に話すのが目的ではなく、論理的に話すことを手段とし、互いの関係を良好にすることこそが目的である、と理解してもらうのが重要です。

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