【連載】特別支援教育の根本 19 通級による指導

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

いわゆる特殊教育が特別支援教育となって増え続けているのが「通級による指導」である。平成27年度の通級児童生徒数は9万270人、この3年間で15.9%増加している。

通級による指導に関する法的規定は、学校教育法施行規則第百四十条の「小学校若しくは中学校又は中等教育学校の前期課程において、次の各号のいずれかに該当する児童又は生徒(特別支援学級の児童及び生徒を除く。)のうち当該障害に応じた特別の指導を行う必要があるものを教育する場合には、文部科学大臣が別に定めるところにより、(中略)までの規定にかかわらず、特別の教育によることができる。一、言語障害者、二、自閉症者、三、情緒障害者、四、弱視者、五、難聴者、六、学習障害者、七、注意欠陥多動性障害者、八、その他障害のある者で、この条の規定により特別の教育課程による教育を行うことが適当なもの」である。

さらに平成5年文部省告示第七号では、同条に該当する児童生徒(特別支援学級の児童生徒を除く。以下同じ)に対して特別の教育課程を編成するに当たっては、次に定めるところにより、当該児童生徒の障害に応じた特別の指導を、小学校または中学校の教育課程に加え、あるいはその一部に替えることができるものとしている。

「1、障害に応じた特別の指導は、障害の状態の改善又は克服を目的とする指導とする。ただし、特に必要があるときは、障害の状態に応じて各教科の内容を補充するための特別の指導を含むものとする。2、障害に応じた特別の指導に係る授業時数は、規則第百四十条第一号から第五号まで及び第八号に該当する児童又は生徒については年間三十五単位時間から二百八十単位時間までを標準とし、同条第六号及び第七号に該当する児童又は生徒について年間十単位時間から二百八十単位時間までを標準とする」。

これを具体的に考えてみよう。通級による指導は、特別な教育課程の編成で行われる。障害による学習上または生活上の困難の改善・克服を目的とする「自立活動」を中心に行い、特に必要な場合は「各教科の補充指導」も行う。指導時間は、自立活動と各教科の補充指導を合わせて年間35単位時間(週1単位時間)~年間280単位時間(週8単位時間)以内を標準とする。学習障害(LD)および注意欠陥多動性障害(ADHD)の場合は、月1単位時間程度の指導が考えられるので、年間10単位時間が下限となる。

自立活動の内容は、前に述べたが「健康の保持」「心理的な安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「身体の動き」「コミュニケーション」の6区分26項目で分類・整理され、人間としての基本的な行動を遂行するために必要な要素、障害による学習上または生活上の困難を改善・克服するための必要な要素で構成されている。

この内容を指導するとき、学習指導要領の各教科のように指導すべき内容を示した基準とは異なり、具体的な指導内容を項目ごとに設定するのではなく、区分ごとに示された内容から指導に必要な項目を選び、それを関連づけて内容を決める。

各教科の補充指導は、例えば学習障害(LD)のある児童生徒には、聞く、話す、読む、書く、計算するなどに、学習の困難がある場合、そのつまずきに応じた補充指導をする。

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