皆がわかる・できる・つくる 学び合いで授業改善

体を向け、目を見て、じっくりと話を聴く
体を向け、目を見て、じっくりと話を聴く

愛知県安城市立二本木小学校

本校(愛知県安城市立二本木小学校、神尾壽明校長、児童数778人)には、外国にルーツをもつ子供や、就学援助を受ける家庭・ひとり親家庭の子供が多く在籍している。このため学力の二極化が進み、学びをあきらめる子供が少なくない。

このような現状を踏まえ、生まれ育った環境や置かれた現実に左右されず、誰もが元気に過ごせる学校、全ての子供が授業に参加し学びを実感できる学校にしたいと願い、「学び合い」を中心に据えた授業改善に取り組み始めた。

◇学びに向かう力を培う

本校では学び合いを、「教え合い」と「聴き合い」を2つの柱とする協働学習の総称とした。

教え合いでは、課題達成に向けて、子供自ら「わからないから教えて」と動き出し、学級のみんなが関わり合う姿を目指している。

教え合いの充実により、どの子も考えを持ち、学びに向かう力を培えると考えた。

聴き合いでは、相手の言葉をじっくり聴き、その言葉を共感的に受け止める姿を目指している。聴き合いの充実により、自分の考えと他の考えを比べ、見つめ直し、考えを広げたり深めたりできると考えた。

◇授業づくりへのアプローチ

(1)PDCAサイクルの積み上げによる授業改善
学年の全学級が同一時の授業を順に実施し、授業後に子供の声や活動をもとに、学び合いの有効性を協議し、改善策を立てる。この活動を通して授業力の向上を目指す。

(2)聴き合いタイム
毎週火曜日の朝、学級ごとにテーマを決め、考えを交流する。聴き合う楽しさを実感させる場となるようにする。

(3)学びの作法と技
発言する人の方に体を向け、目を見て話に耳を傾けるなど、学び合いを円滑に進めるための技能やマナーを指導し、活用している。

(4)ICT機器の活用
授業内容に合わせ、積極的にICT機器を活用する。誰が活用するか、目的は何かを明確にし、学び合いを促すツールとして有効活用を目指す。

◇6年生の実践=総合「熊本・広安小と交流しよう」

震災後、熊本県益城町立広安小学校との交流を続けている。その交流を継続するかを考えた。

これまでに行った運動会への応援メッセージなどの活動から、人に何かを施したことに喜びを感じている子が多い中で、「本当に役立っているのか」「かえって気を遣わせている」の言葉で、子供の考えが揺らいだ。

そこで聴き合いの場を設けた。その中で、継続するかどうか揺らいでいた子が、「やめようという気持ちはない。でも、何をするのがよいのか迷ってしまう」と、葛藤する心を語った。この複雑な心の揺れに共感した子が、「本当に相手に役立つこと、気を遣わせないことがあるんじゃないか」と、相手の心に寄り添いながら、自分たちの意志で、改めて活動内容を模索し始めた。

授業後の振り返りには、「よい活動が見つからないのが悔しい」と切実な心境をつづった子がいた。聴き合いの中で考えを比べ、見つめ直し、思いを深めたのが分かる。

◇改善を継続

聴き合いでは、友達の考えをうなずきながら一生懸命に聴く姿や、前の子の言葉につなげて話す姿が、どの学級でも見られるようになってきた。日常に見られる小さな一歩を積み上げ、それに喜びを感じながら、この授業改善を継続していきたい。

(執筆者・早川崇研究主任)

同校=〒446―0055愛知県安城市緑町1―23―1/TEL0566(76)4449。URL=http://www.anjo.ed.jp/~nihongi/

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