【連載】どうする 学校のプログラミング教育 8 この先15カ月が勝負どころ

(一社)みんなのコード代表理事 利根川裕太

 

昨年12月21日、次期学習指導要領に向けた答申が、中教審から松野博一文科大臣に手交された。小学校におけるプログラミング教育についても新たな方針の骨子となり、総合的な学習の時間、算数、理科、図画工作など、具体的な教科における実践が想定される単元も挙げられた。

では、小学校から全面実施となる平成32年度に向けて、タイムスケジュールを見通してみよう。まず目指すべきゴールは、その年の4月までに、現場の先生がなんらかの形でプログラミングの授業を教えられる体制を整備することだ。そのためにポイントとなるのは、30年度から開始される移行措置だろう。移行措置期間に全教員が研究授業や講習等の研修を実施し、スムーズな全面実施ができるよう現場の知見・経験を高めておきたい。

そう考えると、30年4月までが準備期間となり、今年1月の現時点から数えると、たったの15カ月しかない。

この短期間で、プログラミング教育をどのような形で実施するのか、どのような教材が使えるのか、コンピュータの整備をどうするのかなど、中核的な立場となる教員(特に管理職、情報教育担当、研修・研究担当)は考えなくてはならない。

ほかにも、小学校高学年で外国語(英語)の教科化が実施されたり、アクティブ・ラーニングを取り入れた授業が重視されたりするのなど、現場の先生が取り組まなければならない課題はあまりにも多いが、ことプログラミングについては、現状の経験がほぼゼロである点を考慮し、早め早めに進めていくことが重要だ。

このような状況を考慮して、あと15カ月の移行措置までの期間では、何が準備できるだろうか。みんなのコードとしては、「情報収集」「指導者研修会」「研究授業」と3段階の場を提供するのが重要だと考え、先生がステップアップできるような支援を整えている。

プログラミング教育の準備をするにあたって、最初に必要となるのは情報収集の場だ。みんなのコードでは、教育者が集まるシンポジウムをこれまでに5都道府県で7回開催してきたが、今年はさらに発展させ、全国各地で開催する予定だ。シンポジウムでは、プログラミング教育の必要性や実践者の生の声が聞かれるとともに、各社のプログラミング教材を実際に触って試すことができる場を設けている。参加者同士の交流会も好評で、先生同士が互いに悩みや情報を交換することができる。

どの先生にとってもプログラミング教育は分からないことが多いため、先生同士がつながることや、実際に教材を手に取ってみることで最初の一歩を踏み出してほしいと考えている。

指導者研究会では、「プログラミング教育必修化の背景」「プログラミング教材の体験」「実践授業に向けての準備」を3本軸にした講義プラス実習の1時間からの研修会を用意している。この研修会を受けてもらうと、プログラミング教育の入り口が体系的に分かるようになっており、研究授業の実施に向けて何をどうすればいいのか、具体的な授業案が組み立てられるよう内容を設計している。

全国各地の教育委員会からの引き合いも多く、多くの先生にぜひ受けてもらいたいと願っている。

あと15カ月しかないというと、あおっているように聞こえるかもしれない。しかし、今から少しずつでも準備をし、先生同士のつながりを広げていくことで、32年度の全面実施がよりスムーズになると考えている。みんなのコードも支援体制を強化し、多くの先生を巻き込んでいけるよう励みたい。

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