地域に学び活動を展開 美しい池と桜の復活目指す

「桜咲く広場」と池周辺の木を剪定
「桜咲く広場」と池周辺の木を剪定

愛知県豊橋市立植田小学校

本校(愛知県豊橋市立植田小学校、福井朋子校長、児童数329人)は平成26年度に、愛知県豊橋市教委から「地域教育力を生かした問題解決的な学習の展開」とのテーマで研究委嘱を受け、隣接する同市立南稜中学校とともに実践を進めてきた。大切にしたのは「ひと」との関わり合い。「もの・こと」も「ひと」によってその価値が伝えられると考えた。地域の美しい池と桜の復活を目指した活動も展開した。

■自ら地域と関わりたくなる単元の流れ・地域との双方向の関わり合い

問題解決的な学習の解決スキルの1つとして、「地域の人に聞くこと」を重視した。地域の人に会いたいという気持ちが湧き上がってくるような単元づくりを全教科・領域(体育、道徳、特活を除く)で行った。さらに、子供の思いと地域の思いが行き来するような双方向の活動を単元に位置づけ、子供の学びを深めていった。

■深まりのある話し合い活動を充実

毎週木曜日の日課に話し合い活動(15分間)を組み込み、級友との温かい関わり合いを通して自分の考えを深めていく経験を積んでいる。

また45分の授業時間においても、教師の切り返しによって全員が価値観を揺さぶられ、自分の考えを転換・修正・深化していく場を設定。自主発言による話し合いを通して本時の目標に迫り、振り返りを共有して新たな課題を見つけ、次の学習へとつなげている。

■学校と地域をつなぐシステム整備と活用

地域教育ボランティアコーディネーターを代表に、学校教育活動協力者を「植田いなほ会」として組織化するとともに、学習のねらいに迫る人材を迅速に見つけられるようにデータベース化した。またゲストティーチャーにも授業のねらいや流れがわかる「打ち合わせカード」を活用して綿密な打ち合わせを行い、効果的に授業に関われるようにした。

以前からの多くの地域教育ボランティアに加え、教員の足による人材発掘によって、現在110人以上の人や店、企業が登録されている。

■4年生総合の実践から

植田いなほ会の方から、校区にあるため池が、昔は美しい場所であったと聞き、問題意識が芽生えた。調べを進めると、「ため池はもう必要ない」「守っていきたい」と意見が対立。「もっと幅広く地域の人の意見も聞こう」と自発的にインタビューに出かけ、多くの町の声を集め、話し合い活動へと発展させた。地域の方はわかりやすく考えを話してくれたりほめてくれたりして、それがさらに子供たちの意欲につながった。

その後、池干しの見学などで専門の方と交流し、考えの幅を広げた4年生は「昔のようなきれいな池に戻したい」という共通課題をもち、池周辺の清掃活動に向かう。そこで桜の木々がヤマモモの枝に覆い尽くされているのに気づき、「桜を復活させて人が集まる池にしよう」とさらに新しく「桜プロジェクト」を立案。プレゼン用の資料を作り、自治会長宅まで出かけ、熱心に考えを伝えた。自治会長は、以前から校区として子供たちのために何か協力することはできないかと思っていたというので、子供と校区が協力しての木の剪定が実現した。

(文責・福井朋子校長)

同校=〒441—8134愛知県豊橋市植田町字池堀田15/TEL0532(25)2619。URL=http://www.ueta-e.toyohashi.ed.jp/

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