【連載】どうする 学校のプログラミング教育 9 気を付けるポイントは4つ

(一社)みんなのコード代表理事 利根川裕太

 

小学校の授業などでプログラミングを実践する際に、どのような点に気をつければよいのかについて考えてみたい。

子供たちのITスキルに個人差があったり、急な端末のトラブルに対応したり。または自分が正しくプログラミングを教えられるかなど、”やってみる前の不安”がたくさんあるが、先生が気を付けたほうが良いと考えているポイントを、4点ほど押さえたい。

(1)模範回答にこだわりすぎない

プログラミング学習において大切なのは、問題を解決したり、目的を達成したりするための手段や方法が多数存在するということだ。子供たちが、どの方法を選んでも決して間違いではなく、答えがひとつとは限らない。多様な考え方があり、互いにそれを認め合う寛容な視点を授業では大切にしてほしい。

一般的には、シンプルな手段や方法を選ぶことが「他者に分かりやすい」という点で優れていると言われている。例えば、ズラズラと長くコードを書くよりも、見た目に短くコードを書けるほうが分かりやすい。強要する必要はないが、子供たちには「もっと工夫できるところがないかな」というような言葉掛けで、少ない手順で目的を達成する方法を考えてさせていきたい。

(2)先生が教えすぎない

プログラミングは課題解決型学習であり、1つの目的に向かって試行錯誤しながら答えを見いだすことが、学習の肝になる。そのため、指導者が先に知識を与え過ぎたり、教え過ぎたりするような行動は、望ましいとはいえない。指導者はあくまでも、子供たちを導くファシリテーターに徹してほしい。

授業中に子供同士で教え合うルールづくりとして、「分からないときは、まずは隣の友達に聞く」「友達から質問をされたら、自分の手を止めて話を聞く」「友達に教えてあげるときは、コンピュータを触らずに言葉で教えてあげる」などを事前に決めておくのも良いだろう。

(3)疲れたときはリフレッシュする

プログラミングの授業では、45分授業を2時間連続で行ったりすると、子供たちが夢中になりすぎて、自分の疲労に気づかない場合が多い。集中力を維持しながら取り組んでいるのは望ましいが、一方で疲れて思考がうまくいかなくなり、さらに疲れる子供も出てくるので、その際はリフレッシュをするような場面を設けてほしい。
これは、優れたプログラミング教材がウェブで提供される形であって、現場の先生でないとできないことなので、ぜひ取り組んでほしい。

(4)「後生畏るべし」を受け入れる

プログラミングにおいては、先生よりも子供たちのほうが高いレベルに達する場合がよく起こる。先生として心苦しいことや、子供たちの方が知識を持つことに不安もあるだろうが、これを受け入れ、認めてあげてほしい。「自分で夢中になって頑張ると、大人を超えることができるんだ」と感じるのは、普通は20代前後で初めて経験する人が多いが、これからプログラミングを学ぶ子供たちにとっては、そういった貴重な機会を小学生のときから経験できる。子供にとってまたとない機会を提供すると思い、先生として本心から「すごい」と思ったことをきちんと子供たちに言葉で伝えてほしい。

プログラミングの授業は基本的に他の教科と異なり、知識を先に与えたりせず、子供主導で目的を達成するためにはどうすればいいのかを考える。そのため、子供たちが受け身では前に進めず、いかに主体的に取り組めるかが重要だ。

先生には、子供たちの自由な発想を受け入れて、子供たちがどんどん試行錯誤でき、子供たちを主役にした授業づくりをしてほしい。