【連載】特別支援教育の根本 20 高校での通級

(学)大出学園支援学校若葉高等学園理事 清野佶成

 

通級による指導について、引き続き考えたい。

通級による指導は、児童生徒は通常の学級に在籍していて、障害に応じた指導を必要に応じて通級指導教室で受ける。この指導の特色は、特別支援教育の専門担当者が障害に応じて指導支援をすることにある。通常の学級担任からの相談を受け、その児童生徒のつまずきや困難の状況を聞き、まず担任としてできることを助言したり、状況を把握したりするために、授業参観したり、本人と接して観察したりして、的確な情報を得ることが必要である。

また担任だけでなく、学年会などの中での、総合的な情報収集が大切である。それらの情報、実際の指導支援状況などを、校内委員会等に報告したり、特別支援教育コーディネーターと連携して校内の支援体制の構築に協力していったりが求められる。

通級による指導は、現在は小・中学校での制度で、高校にはないので、通常の学級または特別支援学校高等部に行くことになる。中学校から引き続き通級による指導を必要としている生徒や、新たに指導支援を必要とする生徒が困難等を抱えている場合があり、高校でも通級による指導が必要である。

平成18年学校教育法の改正で、高校でも教育上で特別の支援を必要とする生徒に対し、障害による学習上または生活上の困難を克服するための教育を行うことが明記された。

21年8月に、特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議に置かれた高校のワーキング・グループの「高等学校における特別支援教育の推進について~高等学校ワーキング・グループ報告」が取りまとめられた。高校における通級による指導についての将来の制度化を考え、種々の実践を進める必要性と、高校で特別支援教育を推進するために必要な方策が示された。

文部科学省は26年に、「高等学校における個々の能力・支援を伸ばす特別支援教育充実事業」を開始し、障害に応じた特別の指導を、高校で実施する研究が進められてきた。昨年3月31日「高等学校における通級による指導の制度化及び充実方策について」(高等学校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議報告)がだされ、高校においても、障害に応じた特別の指導を行えるようにする必要がある。制度設計の在り方として、基本的な考え方は小・中学校等と同様とし、高校における教育の特徴を十分に踏まえ、(1)教育課程の編成(2)単位による履修・修得、卒業認定制度(3)必履修教科・科目等(4)全日制、定時制および通信制等の制度を設計する必要があるとした。

そして、今後の導入に向けたロードマップを示し、制度の運用開始を平成30年としている。

高校で通級による指導を実施する場合、特に通級指導教室に行く生徒の自尊感情や集団から離れて別の活動に向かうことへの心理的抵抗感がでてくる。それを与えないように、選択教科・科目等の1つとして位置付けて、同時間は、他の生徒も選択・科目を履修するような形にする配慮が大切である。

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