【連載】教師のためのセルフコーチング 12 価値ある仕事をつくり出す

京都文教大学准教授 大前暁政

 

教師なら、毎年同じ学年を担任することがあります。

また、連続ではないにしても、同じ学年を受けもつことがあります。

同じ学年を受けもったとき、前と同じような学級経営や授業をすれば、それなりにうまくいくこともあります。

その結果、毎年同じような仕事を続けるという、「ルーティンワーク」に陥ってしまうことになりかねません。

同じ学年を受けもっても、同じ仕事をするのではなく、前のときよりも、より価値のある仕事をつくっていきたいものです。

また、校務分掌も数年続けて担当することがあります。

体育主任や生徒指導主事を何年も続けて担当するわけです。

このようなときも、同じ仕事を続ける意識なのか、それとも、前よりも少しでも価値のある仕事を生み出す意識なのかで、ずいぶんと結果が違ってきます。

時々、次のように自問してみるとよいでしょう。

「自分でないとできないような価値のある仕事を生み出しているだろうか?」

「職場に自分の存在価値を発揮できる場はあるだろうか?」

「自分がいないと困る。そんな存在になっているだろうか?」

価値のある仕事をつくるときに、そんなに難しく考える必要はありません。

今までよりも、「ちょっと」だけでも、よい仕事をつくる気持ちでやってみればよいのです。

学級経営なら、これまでの子どもの様子を振り返りながら、少しだけ変えるつもりで、思いついたことをやってみるのです。授業なら、新しいやり方に、一つだけでも挑戦してみるのです。

校務分掌でも、工夫ができます。

例えば小学校教員で、幼稚園や中学校との連携を進める担当だとします。

例年は、中学校や幼稚園と情報交換会をして終わりという形でした。

しかし、ここでもし、その情報交換を逐一記録をして、年度末に何らかの方向性を出す会議の進め方に変えたとしたらどうでしょうか。

去年よりも実りのある情報交換会にすることができるはずです。同じ仕事のやり方を何年も続けているとマンネリ化してきます。

このように、ほんの少しでも、前よりも価値のある仕事をしていくと、結果は大きく違ってくることがあります。

つまり、教師の仕事は、教師の「少しの意識の差」が、一年後に「大きな差」となって現れるのです。

前よりも価値のある仕事を創り出すことができる教員になると、職場で存在価値を発揮するようになります。

存在価値を発揮するような居場所ができると、職場での評価も高くなり、仕事はとてもやりやすくなります。

ただ、多忙化が気になり、価値のある仕事をつくり出すことに躊躇を覚える人もいるでしょう。価値のある仕事を一つつくり出したら、同時にやることがあります。それは、「価値のない仕事」を一つなくすことです。

こうすれば、無駄な仕事は減り、価値のある仕事だけが残っていくことになります。

(おわり)

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