【連載】アクティブ・ラーニングとICT活用 ⑨ 安全サイトで創造物を共有

文教大学教授 今田晃一

 

人との感覚の通有性を養う

2月14日に示された小・中学校の次期の学習指導要領案では、「社会に開かれた教育課程」が改めて強調された。これは先の「論点整理」で示された「あと10年〜20年程度で、半数近くの仕事が自動化される可能性が高い」などの指摘につながるものであり、グローバル化、情報化、技術革新等といった社会の変化の中で、どのような職業を選択するかにかかわらず、全ての子供たちの生き方に影響するという認識をもって臨みたい。

井上智洋氏は、その著書『人工知能と経済の未来』の中で、いくら仕事が人工知能やロボットに取り替わっても、「C:クリエーティブ系、M:マネジメント系、H:ホスピタリティ系の3つの分野の仕事はなくならないだろう」と述べる。またこれらの3つの仕事をまとめて「CMH」と呼ぶ。そして「CMHを行うには、人との感覚の通有性を必要とする」と明言する。

「感覚の通有性」は、単なるコミュニケーションではなく、ホスピタリティを発揮することで生じる高度な人と人とのつながりの在り方だと捉えたい。

そこで筆者は、子供たちが自身で創った作品を安心してアップロードできるWebサイト「Creatubbles(クリエイタブルズ)」の利用を提案したい。

この連載(7)でも述べたように、PISA2015では、日本の子供たちの「創造物のアップロードと共有」が世界最低となり、大きな課題となっている。ただ、日本については、Youtube等で子供たちが情報を発信することへのリスク、情報安全教育を重視するあまり、の結果でもある。

p20160302_03その点、クリエイタブルズは、デジタル安全性に最大限配慮している。具体的には、(1)アップロードされたすべての作品は、Creatubblesチームによって承認された後に公開される(2)精密なソフトウェアによる15言語での不適切な言葉のリアルタイムモニタリングとフィルタリングを実施している(3)すべてのコメントは大人の管理アカウントによって承認された後に公開される——など、すべての子供たちにとって安全な環境であること、それを維持し続けることに全力で取り組んでいることを宣言している。

またアップロードできる内容についても、「絵」「動画」「組み立て」「3D」「スクラッチ」「マインクラフト」「工作」「文章」など、およそ学校で創るあらゆる創造物をデジタルで発信することができる(写真)。よい作品にはバブル(いいね!の意)を付けることができ、いいねと思う感覚を、世界中の子供たちと共有する意義は大きい。

ICTを活用しながら、人間にしかできないこと(C:クリエーティブ、M:マネジメント、H:ホスピタリティ)が発揮できる授業づくりを追究したい。

参考文献=井上智洋(2017)『人工知能と経済の未来』文春新書

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