【連載】主体的、対話的で深い学びに向けた学級経営 第2回 理想の学級集団をイメージ

上越教育大学大学院教授 赤坂真二

 

学級集団づくりを始めるとき、まず何が必要か。それは、理想とする学級集団のゴールのイメージです。

私たちの身の回りのものは、2度の創造を経ています。みなさんが使っている文房具やパソコンから、今、仕事をしている場所や建物まで全てです。一度、頭の中で創られて、実際の生産工程を経て実態化します。同様に、理想とする学級集団を育てるためには、まず、頭の中でそれを描くことです。

では、テーマの主体的・対話的で深い学びを実現する学級を考える際には、何から考えたらよいでしょうか。

理想の学級というと、教師を目指す学生の多くは「思いやりのあるクラス」とか、「協力し合えるクラス」などと言います。それが誤っているとは思いませんが、学級集団も、公教育の目的を達成するために営まれるものです。

子供たちがどんなに整然と学習していても、逆に、どんなに活発に学習をしていても、それが目的に迫っていなかったら、教師の自己満足になってしまうことでしょう。

そのように考えると、やはり、主体的・対話的で深い学びを実現する学級集団も、その目的を踏まえる必要があります。国があえてこうした授業改善の視点を示したのには、目的があります。そこには、子供たちに身に付けさせたい資質能力があります。

その重要な要素といわれるのが、▽生きて働く「知識・技能」の習得▽未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力など」の育成▽学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性等」の涵養――(中央教育審議会「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」平成28年12月21日から)です。

このような学習が展開されるためには、これに適した学級集団のあり方があるはずです。

しかし、どうでしょう。これを一読して、どれだけの人が教室レベルで具体的な実践をイメージできるでしょうか。

焦点化や構造化がなされないと、少し分かりにくいのではないでしょうか。イメージできないことは具体化できません。何に力点を置いて実践すれば、これらの資質能力の育成に迫れるのでしょうか。

次回は、学習指導要領でねらう資質能力の中核から、理想の集団像を考察します。