職員室半径3メートルからの現場改革 主体的・対話的で深い学びに向けて(1)近くにどんな先生がいますか

eye-catch_1024-768_matsunaga学校法人桐蔭学園 国語科教諭 松永和也

主体的・対話的で深い学びの実現に向けて次期学習指導要領が公示されました。生徒の学びの改革は、教員にも変化を求めます。教員の意識改革やカリキュラム・マネジメントは、校長や管理職が音頭を取って行うべきものです。ところが、私は赴任4年目の役職についていない一国語科教員に過ぎません。

そんな私が、縁あって知っている優秀な校長先生の考えをまねて口にしても、聞こえは良いかもしれませんが、言葉に重みがない机上の空論になってしまいます。それなら、その優秀な先生に直接語ってもらえばいい。でも、矛盾するようですが、組織的改革に関わるのは管理職だけではありません。

ある改革を進める際、タスクチームが立ち上がり、中間管理職以下の私たちにも役割が与えられていきます。実際に改革の内容を教室や職員室で展開していくのは、他でもなく、私たちです。

私は横浜市にある桐蔭学園という中高一貫の私立校に勤めています。この学校では、2年前からアクティブラーニング(AL)を全校的に取り入れています。つまり、それが本校における改革の中身です。

私は初年度からAL推進委員として、AL型授業の実践、教員への推進活動、学外への講演を行ってきました。その経験なら、しっかりと実感を伴った言葉でみなさんに伝えられる。共有してほしいアイデアもたくさんある。そこで、連載タイトルを「半径3メートルの改革」としました。

草の根の教員同士による意識改革のアイデアを紹介していきたいのです。大きな組織を動かさなくても、職員室の自分の席から半径3メートルにいる先生の意識は変えられる。いや、これが意外に難しいのですが、逆にここでうまく連携が取れれば、範囲がより広くなっても、実は、やるべきことは大きく変わらないように思えます。

なぜ3メートルかというと、エドワード・ホールのパーソナルスペースの分類を参考にしました。相手との関係性に応じた距離の取り方があり、1対1で会話をする最も大きな範囲が「社会距離の約3メートル」だそうです。それより広いと講演者と聴衆の関係(公共距離)になってしまう。管理職がトップダウンで指示する際には適していますが、ここでは職員室で一人一人の先生と話すように行う改革について考えたいのです。

愚直な話ですが、実際に職員室の自分の席からメジャーで測って3メートル以内に何人の先生がいるか数えてみました。11人いました。同教科も他教科も学年主任も先輩も後輩もいます。デューイは「学校は社会の縮図」と評しましたが、同様の構造を感じます。

次回から、その11人とどのように手を結び合っていけるか、具体的に書いていきます。