職員室半径3メートルからの現場改革 主体的・対話的で深い学びに向けて(2)教科会で実践と課題を共有

eye-catch_1024-768_matsunaga学校法人桐蔭学園 国語科教諭 松永和也


一番近い席に座っている同教科の先生を、思い浮かべてください。その先生が、今どのような授業をしているか、知っていますか。どの教材や分野を扱っているかだけでなく、それを生徒がどう学んでいるかという点もです。

教科について話す機会として、多くの学校では、週1回程度、教科会が開かれていると思います。ところが、事務連絡ばかりで、授業について話す時間はあまり取られていないのではないでしょうか。

私が参加している教科会では、毎回「ALより」という時間の枠をもらい、授業実践の紹介や課題の共有を行っています。時間枠を意図的に設ける中で、常に誰がどのような授業をしているかの情報が交換され、自身の授業を省みる習慣が身に付きます。

どの会議にもいえますが、問題解決型に改める中で、議論は活発になります。5分でよいので、そういった時間をつくる。少しの勇気があれば、明日にでも周囲の先生に提案できます。

百聞は一見にしかずで、本校は、実際に授業を見合う「授業参観週間」が2週間程度あります。互いに声を掛け、日常の授業を見て、感想を述べ合う研修です。もちろん強制力がなくても、年間を通して授業を見合う文化が醸成されるのが望ましいのですが、時期を区切り、研修の形をとる中で全教員が参加するきっかけをつくる点にも、大きな意味があります。

この形式は、ある教員の授業を他の教員陣が囲んで見学する研究授業のスタイルより、授業担当者のハードルが低く、参観者も受け身になりにくいです。さらに、日常の授業の様子が見られる研修になります。

注意したいのは、感想を述べ合う際、教材論に走って生徒の学びから目が離れてしまう点です。みなさん専門的な視点から、この教材はこう教えたいというこだわりがあります。それは、決して悪いことではありません。ただし、「教師がどう教えるか」から「生徒がどう学ぶか」という転換が、主体的・対話的で深い学びには不可欠です。

そこで、教科の内容に踏み込みながら、生徒の学びに焦点を当てられる論点が「発問の工夫」だと考えます。

「メロスとセリヌンティウスの関係性を考えよう」と声を掛けるか、「メロスにとってセリヌンティウスはどのような存在か」と尋ねるかという発問の仕方をおもんばかるのが、教材研究にも、生徒の学びのプロセスを思い描くのにもつながるからです。次回は、他教科の先生とのつながりを記したいと思います。

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