職員室半径3メートルからの現場改革 主体的・対話的で深い学びに向けて(3)他教科の先生とつながる

eye-catch_1024-768_matsunaga学校法人桐蔭学園 国語科教諭
松永和也


今年度に入って、他教科の先生の授業を見る機会はありましたか。そもそも他教科の授業をのぞいた記憶を探るのが大変だ、という方も少なくないかもしれません。

私は、各教科から選ばれた教員で組織される、改革チームの会議に参加しています。そこにいる全教員が口を揃えて「他教科の先生と授業について話せたのが会議の収穫だ」と話します。前回紹介した授業参観週間でも、私たちは他教科の教員に授業を見せてもらい、また見てもらいました。改革が始まるまで、本校には、そういった機会がほとんどありませんでした。

他教科の授業は、同教科に比べ参考にならないと思われるかもしれませんが、私のはす向かいに座っている数学の先生は、「むしろ、他教科の方が知らないことだから面白い」と話してくれました。この視点はとても大切です。

同教科だと教材をどう料理するかという教材論に目が向かいがちですが、他教科だと、生徒と同じ目線から学びの様子を見やすい。フラットに生徒の学びの視点を持つことで、多くの気づきを得られます。実際、多くの教員が、同教科より他教科の教員に授業を見せる方がハードルが低いと感じるようです。

一方で、教科の差異を無視して進められない場面もあります。カリキュラムの話題で、教師が全ての内容を教えなければならないと信じる「網羅主義」に陥らなければ、授業数が減っても対応できる、と私が発言したのに対し、4年間隣の席に座っている理科の主任教師は、「教科の特性を考えてくれないと。理科、数学は学ばないといけない内容でがんじがらめなんだよ」とおっしゃいました。

国語は余裕があるという訳ではありませんし、網羅主義からの脱却は重要な課題だと、今でも信じています。ただ、確かに他教科の実情を鑑みて発言していなかった点に気づかされる瞬間でした。小さくとも組織を動かそうとする際には、どんな立場の人たちがそこに集っているかを意識しければなりません。

そこで、私たちは教科や立場ごとの研修を多く企画しました。ALの手法について各教科で大学の先生を呼んだり、学年主任向けAL研修、評価のためのルーブリック研修などを行ったり、研修後にメーリングリストを利用したりして情報を共有しました。

それぞれの立場を全て理解して発言できるスーパーマンにはなれません。ですが、それぞれの立場の意見を吸い上げる「場」を提供することはできます。

関連記事