職員室半径3メートルからの現場改革 主体的・対話的で深い学びに向けて(4)慎重な先生とつながるために

eye-catch_1024-768_matsunaga学校法人桐蔭学園 国語科教諭 松永和也


「あなたみたいに上手に授業できませんよ」と授業見学者から感想を言われたとしたら、どう反応しますか。

私は喜びました。授業者として認められた気持ちで有頂天になりました。しかし、改革の推進を担う立場として、ハードルを高め、相手の気持ちを削いでしまっているのにすぐ気が付きました。

改革に対して慎重な態度を示す先生は、大きく2つの特徴に分けられると思っています。改革の内容に納得がいかない先生と、積極的に取り組みたいもののどうしてよいか分からない先生です。

どんな改革でも否定的な意見は出てきます。それぞれ異なるキャリアを重ねてきた人たちが集まっているのですから、むしろ、多様な反応があるのは当然だという点を忘れず、尊ぶ心を持って肯定的に耳を傾けるのが大切です。

全ての考えを改革に反映するのは難しいですが、耳を傾けたという点が相手の納得度を高めます。

次に、どうしてよいか分からずに悩んでいる先生へのアプローチです。

どの学校にも立派な教育理念がありますが、具体的にどのような取り組みを通じて理念を実現するかのイメージを明確に描けるか、自信のない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本校は「自ら考え判断し行動できる子どもたちを育成する」との理念の実現を主体的対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)の手法を用いて目指していますが、どうしてよいかイメージしづらい先生には、理念と同時に次の行動目標を示すようにしました。(1)20%主体的対話的で深い学び(アクティブラーニング)を入れる(守→破→離)(2)活用問題を通して思考力・判断力・表現力も育む(3)「個→協働→個」で協働性・多様性まで育む(4)学習の振り返りを通して主体性を育む――です。

行動目標では、達成しているかの判断を誰が行っても揺るがない、客観的な言葉を選ぶのが望ましいです。

一方、気を付けたいのは、項目の数を増やしてリストにしてしまう点です。そうすると、マニュアルを守るのが目的化し、教員の主体性をつぶしてしまいます。シンプルに客観的な言葉で目標を示すのが、各教員の取り組みへの足掛かりとなります。

「あなたみたいにできない」のは、考えれば当たり前です。私も他の人と同じ授業はできません。各自の授業スタイルの中に本校でいう主体的対話的で深い学び(アクティブラーニング)の手法をどう組み込んでいけるか、一緒に考える時間が必要だったのです。

そこで、共通認識である行動目標が理念と取り組みのギャップを埋める潤滑油として機能してきます。

次回は、「外部」とつながる視点を記したいと思います。

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