「チーム学校」構築論 SNSでつなぐ教育の場(5)生徒が主体的にルールづくり

埼玉県越谷市立平方中学校校長 大西久雄

スマホ・SNSの使い方を憂いて、自治体や校長会、PTAなど、大人が主体となり、利用ルールを決めるのが近年増えている。しかし、その実態は複雑である。

子供たちは友達とのSNSのやり取りでも、自分から「今日はここまで」と言い出せない、自らの意志でスマホ利用を制限するのは気まずいなどの理由から、歓迎される向きもある半面、大人が勝手に決めたものであり、有名無実化しているケースも多いと聞く。

本校がある埼玉県越谷市では、こうした教訓を踏まえ、中学生自ら主体的に関わり、自分たちの手で使い方を考えるプロジェクトを、平成27年12月から実施した。

「越谷市立中学校スマホ・ケータイ共有ルール作成実行委員会(越谷市立中学校生徒会連合会)」である。市内15中学校からそれぞれ、2人の生徒会役員と担当教員が集まり、約1年にわたる話し合いを経て、市内共有ルールを22年12月22日に制定した。

内容は下に示す通りだが、「便利な機器だからこそ、上手な使い手になるために、ルールを守って使っていこう」という趣旨の前文から、7つの共有ルールまで、全て中学生自身が考え、話し合って定めたものだ。ポスターやポケットリーフレットで配布もしている。

市内全中学校の生徒会が作成した「共有ルール」
市内全中学校の生徒会が作成した「共有ルール」

中学生に考えさせ、ルールを決めさせたいという願いから開始したプロジェクトであるが、一筋縄ではいかずに、当初は侃侃諤諤の議論が起こった。

「ルールを決めてもどうせ守らない」「ルールは家庭がそれぞれ決めるべきものだ」など、一向にまとまる気配をみせない。

市教委や校長会が音頭を取ってはいるが、あくまで中学生自身に任せたいという思いから、粘り強く議論を見守った。

LINEスタンプ制作で活躍した本校の生徒会長と副会長の2人は、実行委員会の副会長も兼ね、会長と共によく議論をまとめていった。私も2回本委員会で話をしたが、本市15中学校の生徒会連合会は、同委員会で出た案を各中学校に持ち帰り、生徒総会などで話し合った。そして、その結果を持ち寄り、さらに議論を重ねた。

当初否定的、批判的であった空気が、生徒自身が主体的に関わって、ルールをつくる意味を自覚した。自分たちが「隗より始めよ」となる自負から一気に作成に傾いていった。

そして、作成して終わりではなく、各中学校で検証も行うこと、小学校にも広めていくことを次の使命として、同委員会の活動は継続している。

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