職員室半径3メートルからの現場改革 主体的・対話的で深い学びに向けて(6)生徒の学びとつなげる

eye-catch_1024-768_matsunaga学校法人桐蔭学園 国語科教諭 松永和也


学習指導案の単元の目標に「身の回りの化学変化に気付かせる」と記載があったとしたら、どこに修正を入れるべきですか? 答えは、主語を教員から生徒に変えて「気付く」と語り直すことですね。

教員に変化が求められるのは、生徒の学びの変化に対応するためであり、「生徒を主語に物事を考える」のが前提でした。改めて言わなくても誰もがその通りだと思っているはずです。ところが、言うは易く行うは難し。うっかり生徒の視点に欠けた判断をしてしまいがちです。

そこで「生徒を主語に物事を考える」習慣をつけるために、第一に教員が生徒の視点に立つ機会をつくること、第二に生徒の意見を拾い上げる機会をつくること、を実践してみましょう。

もう、純粋に生徒の目を持つことはできませんが、生徒の学びに寄り添うことはできます。その一つの工夫はカメラで授業風景を撮ることです。

言葉遣いや間の取り方、目線の配りなど授業担当者の癖を発見できるだけでなく、授業中見えているようで見えていなかった、生徒の反応を知ることができます。カメラは教室の後ろでなく前から生徒に向けて置いてみてください。生徒たちの反応がよく見えてきます。

生徒の言葉に耳を傾ける機会として、授業評価への参加があります。授業進度の妥当性、課題量の適正など項目別にアンケートをとり、学校や授業担当者がその後の方向修正に活用するものです。

より気軽に取り入れられて効果が大きいものは、授業内の「振り返り(リフレクション)」です。私たちの授業で生徒は、最後の約5分間にその授業で何を学んだか、どのような姿勢で臨んでいたか、内容と態度の振り返りを行います。次回の授業の冒頭では、前回の振り返りの中からいくつかを共有し、そこで出た課題や疑問点を出発点として、本時の内容を学習していきます。

生徒も自分たちの言葉をきっかけにして授業が展開されることで、授業への参加意識が高まり、前向きに学習へ向かえるようになります。

前回紹介した「外部」の情報もそうですが、生徒の言葉を根拠として改革を進めることが大切です。どんなに立派なアイデアでも、経験のないものを信用するのにはためらいがあるものです。

そこで、他校で実際に試みてこんな結果が出ている、生徒が活動をこんな表情で取り組んでいた、といった知見が時に雄弁に、あなたの背中を後押しするでしょう。

次回は、半径3メートルから範囲を広げ、さらに継続可能な改革を目指します。