「チーム学校」構築論 SNSでつなぐ教育の場(7)働き方・メンタルヘルスでICT活用

埼玉県越谷市立平方中学校校長 大西久雄

これまで授業改善や情報発信、情報モラル・リテラシー教育の視点から、ICTやスマホ、SNSの活用を紹介してきた。今回は、いま注目されているメンタルヘルス、心のケアにICTを活用した取り組みを紹介する。

今年6月に、東京メンタルヘルス(株)という企業が本校を訪ねて来た。同社は働き方改革の一環として、出退勤の管理とともに、社員の心の変化を捉える「コンケア」というアプリを開発し、企業や幼稚園などで活用されているという。

朝の時間にスクールコンケアにデータを入力する生徒や教職員
朝の時間にスクールコンケアにデータを入力する生徒や教職員

出勤するとiPadにあるアプリを開き、そのときの気分に合った虹から雷までの6段階のお天気マークをタップする。退勤時も同様に入力すると、その日の出退勤管理にもなる。そして、そのデータの蓄積から社員の心の変化が分かり、必要であればカウンセラーとの面談などにつなげる。ICTを活用したメンタルヘルス管理である。

同社は、これを小・中・高校生の心のケアにも使えないかと、「スクールコンケア」という子供向けのアプリに開発し直し、モニタリングを求めて本校に依頼したのである。

いじめや不登校傾向で悩む子供の心を、教師のリアルな観察とともに、こうしたICTを活用した客観的データの両面から素早く察知できることは、大変意義がある。

そこで早速、教職員の賛同も得て、6月中旬からモニターを開始した。1年生3学級に各1台ずつのiPadと、1年生全員分のQRコード付きIDカードが用意された。生徒たちは毎朝の自習時間に、静かにiPadを手渡していく。個人カードで自分の情報を入力すると、次の生徒に回す。帰りの会でも同様に実施し、1日の心の動きがデータ化される。38人学級でも10分程度で全員の入力が済むので、慣れれば煩わしいことはない。

7月中旬からデータが蓄積され、あらかじめ指定していた学校関係者(本校では校長、学年主任、養護教諭とした)に、特に変化の大きい生徒がいた場合に同社からメールが届く。「この生徒は気分が上昇しています。いい話が聞けるかもしれません」「この生徒は気分が下降しています。顔色や様子を観察し、話を聞いてあげてください」などの丁寧な分析は、ありがたい。

また、本アプリは教職員にも活用しており、同様に校長がデータを確認している。教職員の出退勤とメンタルヘルスの両方を管理でき、有効であると実感している。

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