明日からの授業が変わる! 主体的な学びの舞台裏(5)知識定着型の授業に学び方を学ぶ要素を

eye-catch_1024-768_sudou千代田区立九段中等教育学校主任教諭 須藤 祥代


今回は、知識定着型の授業を主体的・対話的な学びの授業にする事例を紹介します。実際に学び方を学ぶベースづくりにも使えます。さまざまな教科でも実践でき、実際に私の情報科だけでなく、国語科の同僚が夢十夜の単元で取り入れました。

今回紹介するのは、「ぐるぐる読書」という授業形態です。

「ぐるぐる読書」に取り組む生徒
「ぐるぐる読書」に取り組む生徒

必要な教具は、教科書などの資料と付箋などのメモ用紙、タイマーです。授業前の準備では、授業で取り扱いたい内容をグループの人数に分け、それぞれに担当を割り振ります。最初は、担当するページ数を少なめに設定するとよいでしょう。生徒にやり方を理解させたら、徐々にページ数を増やしたり、情報収集・整理する時間を短くしたりと、難易度を上げていきます。

授業の流れは次の通りです。個人とグループ活動の時間を明確に分けて実施すれば、難しくありません。

(1)個人で担当部分をざっと見る。

(2)グループに対して担当部分を紹介する。

(3)それぞれの担当部分に対して、知りたいことを質問に書いて、担当した個人に渡す。

(4)個人で担当部分に関する質問の答えを探す。

(5)グループに対して質問の回答をする。聞いている人は、メモをとる。

時間内に発表することが決まっているので、主体的に学習に取り組めます。また、最後に確認テストを実施すると、質問の質が向上したり、授業にもより真剣に取り組んだりします。授業後に、ノートのまとめ直しをするとさらに学習効果が上がります。

情報検索と同じで、知りたいことを明確にすると、学習が加速します。そのため、この手法では質問を作らせるのがポイントです。生徒が担当ページを一人で調べるのが不安に感じる場合は、同じ部分を担当する人が他の班にもいるので、相談や質問をしてもよいと伝えます。

授業中は、教員が全体のタイムマネジメントをします。そうすることで、時間を意識して活動を行えるようになります。

知識定着型の一斉講義を生徒主体で行うことに不安があるかもしれません。しかし、私が授業をこのスタイルに変えたところ、考査の平均点は上がりました。この理由について、生徒は振り返りで、アウトプットを複数回行うことで定着を促すことができたこと、自主的に学び合うようになったことなどを挙げていました。

学習習慣をつけ、モチベーションを向上させるきっかけとして、いかがでしょうか。

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