いじめ撲滅 子どもたちの問題解決力を育てる(1)中学生たちのいじめ撲滅宣言

eye-catch_1024-768_hiratsuka_fin「子どもの 子どもによる 子どものための世直し塾」塾長 平墳雅弘

「わたしたちはどんなときにもいじめに立ち向かい、いじめゼロをめざします」――。平成25年9月、全国43校の中学生が文科省に集い、全国生徒会サミットを開催、「いじめ撲滅」を宣言した。その後、いじめ撲滅の運動は全国の小・中学校に広がり、いじめ撲滅宣言は各教室から廊下、職員室まで掲示された。

具体的ないじめ防止策として、「ハイタッチ運動」「あいさつ運動」「いじめ仲裁者の育成」などのアクションプランが展開された。

こうしたいじめ解決に向けた子どもたちの動きは、いじめの渦中にある子どもたちの「自分たちもいじめをなんとかしたい」「いじめで悩んでいる友達を救いたい」という心の叫びの表れである。かつて私が学級経営に子どもを参加させ、いじめを解決しようとしたとき、クラスの生徒や周りの教師が「いじめを解決するのは先生じゃないの」とか「中学生にいじめが解決できるはずがない」などと言っていた当時を思うと隔世の感がある。

子どもは、社会的な弱者とみなされ大人社会から保護される存在とされてきた。学校は、いじめのアンケート作成から調査、いじめに関係した子どもの関係修復などの役割を教師がすべて担ってきた。愛知県西尾市や滋賀県大津市の中学生のいじめ自殺事案などでいじめの解決を学校だけに任せるのではなく、保護者や地域社会も積極的に関わらねばならない風潮になった。いじめを取り巻く環境は大きく変わった。

25年施行の「いじめ防止対策推進法」には、法務局や警察の参加まで明記されている。確かに子どもの生命に関わるいじめの場合、そうした対応もうなずける。ただ、多くのいじめ態様は、冷やかしやからかい、悪口や仲間はずれ、ぶつかられるなど比較的軽微なもので、学級の同級生の間で起きている。いじめられっ子といじめっ子の関係は、「よく遊んだり話したりする仲間関係」だ。子どもたちは、「いじめを打ち明けるのは友達」で「いじめを止めてほしいのも友達だ」という。

いじめの克服に向けて、子どもも自身の問題解決力の育成が求められる今日、いじめの解決には、子どもの参加が必要だ。学校は、そのための具体的な仕組みを早急に立ち上げるべきだ。

(元公立小中学校教員)