「授業再現ノート」で深い学び(1) 思考の可視化「書く」

eye-catch_1024-768_arakawa栃木県上三川町立本郷北小学校教諭 荒川 景子

学校で学ぶための算数授業の在り方を、「共に学ぶ」「共に創る」とし、そこに向かうための授業を、悩みながら子供と創っている。「いつもどんな自分も主体であること」「学ぶ(成長の)過程が大切であること」。そして、「分かる」とはどのような状況か、そこにたどり着く道のりを体験し、一つ一つを粘り強く、じっくり蓄積する授業である。

そこには、常に自分に問いかける「メタ認知的内語」「自己内対話」の存在と働きを大きくする営みがなくてはならない。その過程で、他者との対話が必要となる。他との関わりの大切さに気付き、他の思いを理解しようとする気持ちが育っていく。算数の魅力を借りて。

今回紹介していく「授業再現」は、授業で獲得(創造)した知識の再構成を意図したものである。授業を丸ごと振り返り、前述に迫る実感を得るために、日々、確実に迫るための継続である。

それには、「再現」につながる授業中の「書き記す具体」が大切で、いくつか教室で共有している「決め事」がある。

まず、「黒板」は、問題と関連する既習を「問い」でつなぎ、学び合いの足跡、まとめを記録し、板書を見れば1時間の「共創」の、学びがイメージできるようにする。

単元末レポート:5年「わり算と分数」
単元末レポート:5年「わり算と分数」

個々が学びを創る「授業ノート」は、見開きで1時間とし、上半分を板書、下を4分割し、「自分の考え」「グループの考え」「全体の話し合い」「まとめと振り返り」を書く。

このノートを基に家庭学習として「授業再現」を行うので、個々が工夫して、授業での自分を記録する意識が生まれる。

時間と習慣化が必要である。苦手意識を持つ子供への配慮も欠かせない。

また、協同学習を促進させ、全員参加を実現させるために欠かせないツールに、「グループボード」がある。何をどのように書くかの指導が必要だが、コツをつかむと、子供のアイデアや表現の工夫に驚かされる。

以上のように、算数の授業の中で自分の考えを自覚し、表出する「書き記す」指導を、機会ごとに行うようにする。

はじめは約束事が多く感じられるかもしれないが、時間と個への声掛けなどを繰り返し、やがて、教師の手助けや配慮を必要としないくらい、自由に行うようになる。こうした約束事の上に学びの自由さを知ると、逆に安心して自分らしい考えを表現するようになる。

大切なことは、そのねらいや意図を、できるだけ子供と共有することだ。

そして単元末には、自分で考えた軌跡、共創の学びを「レポート」としてまとめる。