「授業再現ノート」で深い学び(4)思考の可視化「黒板」

eye-catch_1024-768_arakawa栃木県上三川町立本郷北小学校教諭 荒川 景子

■「探究のプロセス」を学ぶ

授業計画を板書でイメージすることを日常としている。問題を中央に書き、思考スキル「結びつける」で、子供が挙げるであろう既習(内容と方法)を整理し、「問1」をいくつか予想する。問いに対する子供の追究と、そこから得られるまとめと、同時に生まれる「問2」を想定する。

授業は、こうした小さな問題解決の連鎖であることを、板書から学ぶことができるように考えている。「知識はその過程で生まれるもの」ということも、知識創造を授業のねらいとし、「小さな数学者」を育てるために大切である。

板書:学びの足跡
板書:学びの足跡

さらに、子供のノートと同様に、下段には「導入での問題理解~自分で考える」「グループ対話」「全体対話」「まとめと振り返り」を促進させるための主発問を書き出す。それがあれば、あとは子供の声に耳を傾け、何を根拠として意見を述べているかを、全身で聴くのに努める。

子供による発言は、黒板で書きながら説明することを日常とする。慣れないと躊躇するが、徐々に、算数にふさわしい伝え方を学び、自分から黒板で説明するようになる。

黒板は、子供のそうした思考の過程が残される。それを基に、共に創った今日の学びを振り返る。たとえ問題解決の途中でも、何かしら学びはある。それを今日のまとめとし、続きを次時の問いとしてつなぐ。

黒板で、全体対話の流れを創るイメージである。子供の見開きノートの上段には、この学びの足跡が記されていく。

■「問1」を位置付ける

黒板の役割として特に大切にしているのが、「問1」を見いだす過程である。

問題を理解し、思考スキル「結びつける」「予想する」で、既習事項の「内容」と関連する「方法」を整理する。そこから、最適な「方略」(内容×方法)を見いだし、「問1」として板書する。

例えば、同じ5年生「小数のわり算 7・5÷0・5」でも、前単元「小数×整数」をどのように学習したかによって、生まれる問いが異なる。式変形を有用としていれば「0・5を整数に変身すればできるかな」となるし、演算の意味を対応数直線で理解することに価値を置いたクラスでは、「対応数直線で1を考えればできるかな」となるだろう。

どちらが良いかというのではなく、子供が主体で学びを創ると決めたならば、彼らがどのように「知識を創造してきたか」を引き出すことが、とても重要となる。

新担任であれば、前学年の学びの文化を、子供の問いから理解しようと努めることは、「共創」に欠かせない。