「授業再現ノート」で深い学び(5)思考の可視化「グループボード」

eye-catch_1024-768_arakawa栃木県上三川町立本郷北小学校教諭 荒川 景子

■協同学習で

他者との協働で学びを創る「共創」は、全員参加で「分からない」「本当か?」「なぜ?」を繰り返した先に手に入るものだ。そうでなければ「文化」とは言えないし、深まりのない単線的な知識に留まる。個々がそれぞれ持ち得ている可能性を引き出し、鍛える過程を保障した先にあるものだと考える。

しかし、「一人で学ぶより、多くを得られる」と、全員が感得できるような学習にするには、やはりいくつかの工夫が必要だ。

グループの考えを広げる
グループの考えを広げる

4人を原則としてグループで学ぶが、協同学習の「互恵関係」「全員の学びを保障する」約束を、具体的に場面に応じて指導していく。

教師の見守りと適切な配慮を継続していくことで、実に良好な人間関係を学んでいく。落ち着かなかったり、他者と学びにくい特性を持った友達が、実はどうしようもない悩みとして抱えてきたことなど、丸ごと理解しようと努める姿に、相互の成長をみることができる。

大切に大切に見守り育てることだ。算数の学び合いは、こうした信頼関係が生まれると、飛躍的に対話が促進し、その役割を発揮する。「できない」「途中まで」を臆せず表現し合うことで、その先の目的に近づけることを学んでいくからだ。

■グループボードを中心に

グループでアイデアを出し合ったり、確認し合ったりするときに欠かせないのがグループボードだ。全員がペンを手にして、参加するのが大原則。自力解決後に行うときは、自信がない考えから出す約束も大切。全ての考えや意見に価値があることを、分かってもらうためだ。

考え・アイデアを出し合うときには、図、式、記号、キーワードなどに留める。未完の考えを仕上げる過程こそ学びが多く、面白い。全員でこそ成し得ることを、感得してほしいからだ。

一方、問題解決の過程で現れたいくつかの解法について検討する時は、メンバー全員が納得するまで、存分に話し合う時間を確保する。解法の検討は、それぞれの解法を体験することから始まる。実は、これが容易ではない。全員参加を本気で目指すと、こうした時間の使い方が大切であることが分かる。

ここで生まれた対話を自分に取り入れる作業が、ノートの枠として確保されていることも大切である。概念形成は自分にしかできない。多くの意見を知り、自分で判断することで外縁を豊かにしていく。この経験は貴重で、「深い思考」を必要とする。その過程で必要なのが、フランクに聞き合いができるグループでの「深い対話」である。

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