多文化共生教育の最前線 [横浜市立飯田北いちょう小学校の実践から](4)国際教室の役割と取り組み

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国際教室としての職員の加配は、横浜市独自に定められており、本校には4人の教諭が加配されている。

そのうち2人の教諭は、国語の少人数学習と日本語学習を担当している。他の教諭は、少人数学習の担当として、日本語の初期指導は終了したものの、在籍学級での学習には十分に参加できない児童に対して国語と算数の学習支援を担当している。

日本語指導に係る支援が必要だと思われる児童については、口頭会話による日本語の力を測定するDLAを行い、個々に合った支援の段階を確定している。

その段階は、(1)日本語をゼロから学ぶサバイバル日本語学習(2)日本語の基礎・技能(3)日本語を学習する初期日本語学習(4)教科学習の中で学力も日本語力も向上を目指す統合学習としての国語少人数学習――と段階的に支援できる体制を整えている。

募金活動を行う児童
募金活動を行う児童

第2回でも触れたように、本校では「心つながり笑顔ひろがり世界へはばたく」という学校教育目標を掲げ、多文化共生を学校教育活動の柱の1つと捉え、全教職員・全児童で「多文化共生の学校づくり」を推進しており、国際教室担当がコーディネートしている。

入学式や卒業式、運動会などの学校の諸行事の中では、外国に関係のある保護者でも理解ができるよう、そして子供たち自身のアイデンティティの高揚のためにも、多言語によるアナウンスや掲示・表示をはじめ、多文化的な活動を積極的に取り入れている。

また、「総合的な学習の時間」をはじめ、生活科、社会科、理科、家庭科、算数科などの教科学習の際にも、いろいろな国の文化を扱い、その違いに触れ、認め合える場を設定している。

本校の委員会活動の中には、「多文化共生委員会」があり、「日本の子供も外国につながる子供も仲よく生活できる学校にしよう」という目標を設定して、さまざまな活動を行っている。

その1つに、毎年12月の人権週間に合わせて取り組んでいる募金活動がある。集めた募金は、民間の団体を通じて、カンボジアやベトナムで、貧困のために学校へ行くことができない子供たちへの学費の補助や、通学のための自転車に換えて寄贈している。

募金を受け取った「友達」からは、写真が添えられた手紙が送られてくる。募金を集めて送ることを目的とはせずに、自分たちの小さな募金が、困っている「友達」の役に立っていることを感じられることから、自己肯定感の高揚にもつながる活動と考えている。

(国際教室担当教諭 菊池聡)

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