「学舎」―夜間中学と特例校の窓辺から― (1) 夜間中と特例校併設の全国唯一の学校

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京都市立洛友中学校

京都市立洛友中学校は、同市の中心部、四条大宮にあります。阪急電鉄の大宮駅と嵐電の四条大宮駅があり、多くの商店・飲食店などが集まる、昔ながらの風情を残したにぎやかな場所です。また、学校の西側の地域は壬生(みぶ)と呼ばれ、幕末に活躍した新撰組の屯所(たむろじょ)があった場所としても有名です。休日になると、観光客の姿も多く見かけます。

洛友中のルーツをたどると、番組小学校の一つである下京第七番組小学校にさかのぼります。番組小学校は、約150年前、明治維新によって首都が東京に移り、京都の町の活気が失われつつあったとき、当時の町衆たちが「町づくりは人づくりから」と創設した学校なのです。その後、校名を変えながら、学校は地域に根付き、第2次世界大戦後には、教育制度改革により同市立郁文中学校となりました。

地域に支えられた番組小学校がルーツの洛友中学校
地域に支えられた番組小学校がルーツの洛友中学校

戦後の混乱期以降、市内には経済的な理由や家庭の事情などにより、登校が困難な学齢生徒を対象とした二部学級(夜間学級)が開設されていきます。1968年に、郁文中に開設されたのは、市内初の学齢超過者を対象とした二部学級でした。

高度経済成長の進展とともに、市内の中学に設置されていた二部学級が次々と廃止されていく中で、学齢超過者を対象とした郁文中の二部学級だけは、存続することになりました。

やがて、市内中心部の人口減少(いわゆるドーナツ化現象)や少子化により、同市下京区内にある五つの公立中学校が統合されることになり、その一つである郁文中も、07年度をもって閉校することが決定しました。

しかし、二部学級の社会的な必要性と、地域住民の学校存続の願いもあり、郁文中の校舎を利用し、08年度に新たな学校が生まれました。これまでの義務教育を受けられなかった学齢超過者を対象とする夜間部に加え、不登校児童生徒を対象に特別の教育課程を編成して教育を実施する学校(不登校特例校)としての昼間部の設置も決まりました。夜間中学と特例校を併設した、全国でも唯一の中学校として、洛友中は誕生したのです。

洛友中は「『学びたい』の志を大切にし、生徒が目を輝かせて、『学ぶ楽しさ』と『わかる喜び』を体感できる学校」を教育目標としています。学齢期にさまざまな事情で義務教育を十分に受けられなかった生徒、不登校を経験し通学できなかった生徒、世代や国籍などに違いはあっても、「学びたい」という思いは同じです。この思いを大切にし、洛友中は17年春、開校から10周年を迎えました。