「学舎」―夜間中学と特例校の窓辺から― (3) さまざまな生徒の「学びたい」を叶える

eye-catch_1024-768_rakuyu-school

京都市立洛友中学校

洛友中の夜間部への応募資格は、(1)2003年4月1日以前に出生(2)中学校を卒業していない、または実質的に十分な教育を受けられないまま中学校を卒業した(=中学校の授業の大部分を欠席したまま卒業した)(3)京都市内に住んでいる(4)3年間学校に通える――という条件を満たす人に限っています。以前は、中学校卒業者の入学を認めていませんでしたが、不登校などで十分に教育を受けられないまま、形式的に中学校を卒業した人の入学が認められるようになり、16年度の募集から(2)が変更されました。

日本語指導の時間も充実させた夜間部の時間割
日本語指導の時間も充実させた夜間部の時間割

夜間部には、17年度は30人が学び、19歳から80歳までの幅広い年齢の人が在籍しています。母語が日本語の生徒は6人で、それ以外は韓国・朝鮮語、中国語、タイ語を母語としています。日本での日常生活に不自由を感じることが多く、学力を付けたい思いとともに、日本語の読み書きを学びたいという希望を持っています。

差別による貧困や家庭的な理由で義務教育の未就学を余儀なくされた生徒もいます。生徒たちからは、叶わなかった「学ぶ」ことへの強い思いを、さまざまな場面で感じさせられます。

夜間部は、基本的に3年で卒業としていますが、学習経験などを考慮し、1年での卒業も可能です。また、本人の希望と学校が認めた場合、最長で6年まで在籍することもできます。

就学にかかる費用は、他の公立学校と同様、材料費や修学旅行費などの一部の経費を除き、授業料を負担する必要はなく、就学援助制度も適用されます。

学級編成は、日本語の習熟度により、複式で4クラスに分けています。学年はありません。そのため、入学からクラスが変わらない場合もあります。

教科は、一般の中学校と同じ9教科ですが、日本語による会話・読み書きが困難な生徒や、小学校に通ったことのない生徒もいるため、国語は「ひらがな・カタカナ」、数学は「足し算・引き算」から始めるクラスもあります。この学級編成では、習熟度が違う生徒に対し、教科書を使った一斉授業は難しく、どうしても生徒に応じたプリント学習が中心になります。教科ごとに習熟度別の授業ができればいいのですが、教員数の関係などで実現は難しい状況です。

一方で、改善された部分もあります。13年度からは日本語担当教員が配置され、選択講座「日本語」の授業と、希望制による50分間の課外学習で日本語を教えるようになりました。17年度からは進学希望者に対して5教科の課外学習も始まりました。