「学舎」―夜間中学と特例校の窓辺から― (4)「じゅうしょがかけるようになったら」

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京都市立洛友中学校

洛友中の夜間部は今年、開設から11年目を迎え、昨年までに約80人の生徒が卒業しました(なお、洛友中の前身である郁文中からの卒業生は619人です)。そのうち20人が公立の定時制・通信制高校などに進学しました。「大学に合格した」と報告してきた卒業生もいます。

卒業生の多くは入学前の生活に戻るのですが、そのほとんどが「もっと中学で勉強がしたい。卒業したくない」と言います。また、体調不良や仕事の事情で登校が難しくなり、卒業せずに除籍になる生徒もほぼ毎年のようにいます(除籍の場合は復学も可能)。

鉛筆を握る手には、これまでの人生がしわとなって刻まれている
鉛筆を握る手には、これまでの人生がしわとなって刻まれている

夜間部の生徒には高齢者が多く、糖尿病や高血圧、腰痛などの持病を抱えながらも、平均約1時間かけて登校してきます。そのため、冬の寒い時期には出席率が下がってしまいます。

中には学校に来ると元気になると言い、無理して登校してくる生徒もいます。そんな姿から、「学ぶ」ということについて、私たちも考えさせられる機会が多くあります。

洛友中に来てよかったという成就感を少しでも味わってもらうために、授業の工夫はもとより、心豊かな体験ができるよう、学校行事の充実も図っています。

戦後、戦争や差別による貧困、家庭の事情などで登校できなかった生徒のために開設された二部学級。平成以降は、中国からの帰国者と、就職や結婚などで渡日した生徒が増えました。さらに、不登校などで形式的に中学校を卒業した人たちも入学するようになりました。

しかし、生徒それぞれの「学びたい」という思いは、いつの時代も変わりません。

最後に、生徒の作文を紹介します。

◇ ◇ ◇

にんげんってふしぎやね。じぶんのなまえがかけるようになると、どこでもどうどうといけるようになるんよ。

まえはね、なまえかけいわれたらどうしようとおもって、いもうとについてきてもらってた。いつもびくびくしていた。

いまはね、なまえだけじぶんでかきます、といって、へたでもかくのよ。

あとは、かけないから、かいてとおねがいします。じゅうしょが、まだかけません。

なまえかきなさいといわれるのが、いちばんつらかった。なきそうやった。

きょうだい四人のなかで、わたしだけがっこういかせてもらえなかった。

じゅうしょがかけるようになったらそつぎょうやな。