「学舎」―夜間中学と特例校の窓辺から― (5)新しい学びの場としての再構築

eye-catch_1024-768_rakuyu-school

京都市立洛友中学校

洛友中の昼間部は、学校全体のコンセプト「昼間部と夜間部の良さを生かし、世代や国籍を超えてふれあい学び合う学校」の下、「不登校を経験し克服しようとする生徒のための新しい学びの場」を独自の理念とし、2007年に誕生しました。

「不登校児童生徒等を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校」(特例校)の指定を文科省から受け、開校から現在に至るまで、試行錯誤を繰り返しながら運営しています。

今回は、その試行錯誤の中で転機となった出来事を振り返ります。

開校当初、昼間部の在籍生徒数は6人だけ。同じ京都市にある不登校特例校の洛風中と差別化を図る目的もあり、洛友中は少人数を重視していました。

普通教室の3分の1ほどの小さな教室で、昼間部はスタートした
普通教室の3分の1ほどの小さな教室で、昼間部はスタートした

「教室に入りたいけれども、人の目が気になって入れない」「友達や教師とのトラブルから学校に不信感や恐怖心を抱いている」など、前籍校で辛い思いをし、不登校を経験した生徒たちが、この洛友中学校の昼間部に集まっていました。開校時、ホームルームは全学年合同で行い、場所も一般的な中学校の教室の3分の1くらいの小さな部屋でした。周囲からの刺激も少なく、のんびりとした環境の中で、昼間部はスタートしたのです。

生徒それぞれに学習の空白があり、教科学習に重点を置いた教育課程は難しかったため、まずは学校を、落ち着ける安全な場所にすることを最優先としました。生徒の様子をよく観察し、実態に合わせて、場合によっては時間割を変更したり、校庭で運動を行ったり、校外へ出て散歩を促すこともありました。

開校して7年目に、大きな転換期が訪れました。転入学生徒の人数が13人に増えたのです(この時点で大きな教室に移動しました)。生徒や保護者が洛友中学校に求めるニーズも多様化し、個々の生徒に応じた対応が難しくなってきました。

さらに、教員の異動が重なり、指導に当たっての共通理解にずれや混乱が生じるようにもなりました。登校後に「疲れた」と言って床に寝転んでしまい、そのまま動かなくなってしまう生徒。その一方で、教科の授業を「学校」らしくしっかりと進めてほしいと願う生徒もいます。こうした状況下で、教員の間では「受容」と「指導」のどちらを重視すればよいのかが、大きな論点となりました。改めて、「新しい学びの場」としての運営方針や方向性を考え、再構築すべき時期が訪れたのです。