「学舎」―夜間中学と特例校の窓辺から― (6)「少人数」から「小集団」へ

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京都市立洛友中学校

開校7年目に大きな転機を迎えた洛友中の昼間部は、その翌年から改革を開始しました。

生徒指導上の問題について、個々の生徒に、(1)受容(2)支援(3)指導――の段階を設定しました。それぞれの段階は、切り離されたものではなく連続しています。この段階を踏まえ、現状、何が最重要なのかを教員間でしっかりと話し合い、共通理解を図りました。

生徒数の増加によって生じる混乱を防ぐため、学校生活の共通したルール(原則)も決めるようにしました。クラスでの係を生徒が決め、責任感を持たせ、教員は支援しながら働き掛けを行いました。

そして、総合育成支援員や学生ボランティアなど外部の力も借り、不調や休憩が必要な生徒にも対応できるよう計画しました。教員は原則的に授業を優先できるようになりました。

現在は22人の生徒が学ぶ昼間部
現在は22人の生徒が学ぶ昼間部

次に、行事や取り組みの精選・再考に着手しました。個別に対応するだけでは、生徒の社会性を伸ばすことが困難であったため、スクールカウンセラーとも連携し、ソーシャルスキルトレーニングを取り入れた活動を増やすようにしました。夜間部との交流の時間では、これまで同じ教室で漢字学習をするのが中心的な活動でしたが、時にはカードゲームや貼り絵、カレンダー作りなど、教職員も加わったグループワークを取り入れ、より有機的な活動となるようにしました。

生徒たちの現状を受け止めた上で、全てを受容するのではなく、ルールという枠組みの中で、さまざまな経験を通じ、社会性を身に付ける骨子が出来上がっていきました。成功体験を繰り返し、自己肯定感や有用感を育み、自信を付けさせるという明確な目的意識を持ったカリキュラムに変容していったのです。

こうして、個々の対応に重きを置いた「少人数」制から、個々の現状を把握してそれに対応しながらも、社会性を身に付けさせる「小集団」制へと、システムは生まれ変わっていきました。

その結果、転入学時からほぼ欠席だった不登校を3年生になって克服する生徒が現れました。それまで、洛友中ではある意味通常の進学先だった通信制・定時制高校ではなく、全日制高校へと進む生徒も増えはじめました。

昼間部は、「不登校を経験し克服しようとする生徒のための新しい学びの場」として、まだまだ課題はたくさんありますが、そのたびに研究を重ね、改善を繰り返しながら歩み続けています。