「学舎」―夜間中学と特例校の窓辺から― (9)「本当の勉強」とは何だろう

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ここに1枚の写真があります。これは2017年3月27日の読売新聞夕刊で、洛友中が紹介された際のものです。

本校では、水・木・金曜日の3日間、午後5時からの30分間を「交流の時間」として、漢字学習などに取り組んでいます。交流といっても普段は、おおよそ決まった席で、生徒は個別にプリント学習に励んでいるのですが、年度の後半ごろから、少しずつ交流が行われるよう働き掛けています。そんな中での1枚です。

夜間部の生徒の学ぶ姿に、少しずつ心が動かされていく
夜間部の生徒の学ぶ姿に、少しずつ心が動かされていく

昼間部の女子生徒が高齢の夜間部生徒に寄り添い、漢字の読み書きを手伝いました。それまで別の席から見てきた、夜間部生徒の学習に取り組む姿に触れ、自然に「自分も何かしたい」という思いが生まれてきたのでしょう。

昼間部の生徒たちは、「同じ中学生ができることを自分はできなかった」という思いから、少なからず自信のなさや劣等感のようなものを抱いてしまっています。そんな中で、夜間部の生徒の「学ぶ」姿に、心動かされるものがあったのでしょう。彼女の中に、自己有用感や自己肯定感が、少しずつ芽生えていくきっかけになるのではないでしょうか。

最後に、昼間部の生徒が書いた作文の一部を紹介します。ここから、本校の目指すものが少しでもお伝えできるのではないでしょうか。

◇ ◇ ◇

私は、「義務だ」と感じながら、勉強に取り組んできました。だから、体調がすぐれず、学校に行けないときには、「私はやるべきことをやっていない」と、自分を責める気持ちで苦しくなっていました。

(中略)

私たち昼間部は「交流の時間」に夜間部の生徒さんと一緒に活動したり、授業を受けたりしています。みなさんとても熱心に、楽しそうに学習しておられます。夜間部の生徒さんは、どうしてあんなに楽しそうなのだろう、と私はいつも思っていました。

そんなとき私は、夜間部の生徒さんの文集の中に、こんな言葉を見つけました。

「私は、学びたいから学ぶのです。」

心の底から学びたい、夜間部の生徒さんにそう思わせた勉強は、ものすごく価値と魅力のあるものに違いない。勉強というものへの考え方が、私の中で大きく変わっていきました。

(中略)

勉強は人生においてずっと続くものです。だから、義務ではなく、心の底から学びたいと思える勉強を、私もしてみたい。それが見つかったとき、私の本当の勉強がスタートします。

(おわり)

※生徒の作文は、抜粋部分を原文のまま掲載。