未来カルテで見つめる2040年の日本(4)2040年の視点で市政考える未来ワークショップ

eye-catch_1024-768_kurasaka_fin千葉大学教授 倉阪 秀史

未来カルテは気付きのための手段である。未来カルテによって示された今後の社会の傾向を政策によって変えることができれば、未来も変えられる。そのために、各種研修プログラムなどでの活用を期待している。

例えば、将来の社会を担う世代に実施した「未来ワークショップ」。未来カルテの情報を基に、彼らが2040年の「未来市長」として今の市長に政策提言を行う。

現市長に提言する未来市長(館山市の未来ワークショップで)
現市長に提言する未来市長(館山市の未来ワークショップで)

このワークショップはこれまで、▽千葉県市原市(15年8月22~23日/中学生39人・高校生2人が参加)▽同県八千代市(16年11月23日/中学生11人・高校生9人)▽静岡県(17年2月5日/県内在住・在学・在勤の15~30歳36人)▽千葉県館山市(17年8月7日/中学生30人・高校生14人)▽同県松戸市(17年10月14日/中学生15人・大学生7人。17年10月20日/20代の市役所職員29人)▽奈良市(17年11月17日/中学生3人・高校生34人)――の各自治体で実施してきた。

市原市ではこれとは別に、比較対象として65歳以上を対象としたシニアワークショップも実施した(16年3月24日/65歳以上10人)。

市原、八千代、館山の各市では、科学技術振興機構社会技術研究開発センターの委託研究プロジェクト「多世代参加型ストックマネジメント手法の普及を通じた地方自治体での持続可能性の確保」(通称OPoSSuM)の一環として実施した。過去のワークショップを踏まえてファシリテーターマニュアルを作成し、18年2月9日には、未来ワークショップファシリテーター養成講座を開催している(41人が受講)。

未来ワークショップでは、1日コースの場合、午前中に未来カルテの情報や地域特有の話題などをインプットする。参加者には人口、産業構造、保育・教育、医療・介護、公有施設・道路、農地・人工林、エネルギー、廃棄物、財政など、広範な情報を提供する。市原市ではローカル鉄道、ゴルフ場、イノシシ、八千代市では農業や老朽化した住宅団地、異文化交流、館山市では漁業・農業、移住促進といった、地域特有の話題を提供した。さらに、将来に伝えたい歴史についても、各市の博物館の担当者から話を聞いた。

午後からはアウトプットを行う。2040年の未来市長が直面する課題を書き出した後、未来市長から今の市長への政策提言を考える。最後に、各自が提言内容を発表して、ワークショップは終了となる。