小学校「外国語」の課題を考える(3)教科の見方・考え方を重視した授業づくり

eye-catch_1024-768_watanabe_fin国立教育政策研究所名誉所員 渡邉 寛治

授業づくりは、学習指導要領の目標と内容に沿うべきだ。文科省の公的資料では、外国語教育は「外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方」を働かせて、「外国語を用いてコミュニケーションを図る資質・能力を育成すること」を目標とする。その「見方・考え方」とはどのようなものか。

公的資料によれば「外国語で表現し伝え合うため、(ア)外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目して捉え、(イ)目的・場面・状況等に応じて、情報や自分の考えなどを形成、整理、再構築すること」と明記されている(中教審・審議のまとめ、2016年8月)。

外国語によるコミュニケーション力(資質・能力)育成では、外国語で表現し伝え合うために「情報や考えなどの論理を分かりやすく構築する力の育成」が求められているということである。このコミュニケーションにおける見方・考え方は、今後ますます進展するグローバル化社会で求められる理念である。

小学校の「外国語活動(領域)」「外国語(教科)」においても、この見方・考え方に基づいて外国語によるコミュニケーション力(資質・能力)の素地および基礎を養う。

具体的には三つの柱の内容を教育する。(1)知識及び技能=外国語の特徴やきまりに関する事項(2)思考力・判断力・表現力等=情報を整理しながら考えを形成し、外国語で表現したり、伝え合ったりすることに関する事項、すなわち、外国語によるコミュニケーション能力(3)学びに向かう力、人間性等=相手や他者に配慮しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度(資質)――を育む。

学習指導要領では、(1)の「知識及び技能:語彙、文法、文型など」は、(2)の「思考力・判断力・表現力等」と一体的に(効果的に関連付けて)育成することとしている。語彙や文法等の知識の獲得に主眼を置くわけではない。(1)と(2)の学習過程を通して(3)の「学びに向かう力、人間性等」の涵養(かんよう)を求めている。

ところが、(1)の「知識及び技能」の習得に特化した授業づくりを好む人がいる。知識・技能の習得の練習を何度も行う。この練習をしてもコミュニケーション力(資質・能力)が身に付くわけではない。既述の「考えを形成・整理・再構築すること」をしていないからである。高学年では、単純な繰り返し練習を嫌う児童も出現する。

冒頭で述べたコミュニケーションを図る資質・能力を養うには、繰り返し練習の後、対話の「やり取り(Q&Aなど)」をすべきである。

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